クラリスロマイシンの短期投与はインフルエンザ感染にどのように効果的か? --粘膜免疫増強作用と気道粘膜繊毛運動改善効果— · 2
インフルエンザウィルス感染症は細菌感染の合併がなければ、抗生剤の投与は特に必要がありません。しかし、高齢者では肺炎の合併の恐れがある場合には、早い段階で抗生剤の使用を考慮しなくてはいけません。また、抗インフルエンザウィルス薬により熱が下がっても、咳・痰・鼻水などがしばしば長く続くことがあります。この症状に対しては、クラリスロマイシン(クラリス)という抗生剤が有効であるという報告があります。クラリスロマイシンなどのマクロライド系抗生物質には、インフルエンザに伴う上気道炎症状を改善しウィルス感染を抑制する効果と、気道炎症抑制効果があり、抗インフルエンザウィルス薬と併用する場合もあります。
クラリスロマイシンを服用していました。抗生物質の服用後はインフルエンザの予防 ..
タミフル服用後に異常言動・行動が出現し、事故死する例が問題化され、2007年3月から10代におけるタミフルの原則使用禁止が現在も継続しています。異常言動発現例の38.4~43.1%は無治療で発現しており、異常言動は薬剤だけが原因となっているとは思えず、インフルエンザそのものに起因する可能性が考えられるという報告もあります。抗インフルエンザウィルス薬服用後はもちろん、服用していない場合でも、異常言動・行動による事故発生を防ぐためには、インフルエンザ罹患中の患児に対する注意深い観察が必要です。
新型インフルエンザ大流行対策の基本戦略
1.新型ウイルスの出現阻止
鳥における鳥インフルエンザの監視と制圧
ブタにおける感染伝播の監視、リスク評価
ヒトへの感染防御(教育、宣伝、生活環境改善)
2.新型ウイルスの発生局所での早期封じ込め
早期発見・早期報告(サーベイランス)
ヒト感染例の監視、ウイルス検出と性状モニター
早期封じ込め作戦(移動制限、抗ウイルス剤集中投与)
3.感染拡大の阻止・遅延と健康被害の最小化
公衆衛生的介入(検疫、隔離、行動制限など)
医学的対応 (ワクチン、抗ウイルス剤、医療提供)
4.社会機能、経済活動の維持
社会機能維持に不可欠な職種
事業継続計画(BCP)
5.パンデミック終息後の回復計画
予防接種法によるインフルエンザの予防接種の対象者は,65歳以上の者及び60歳 ..
インフルエンザの歴史は人類とともに古く、当然、古代中国人も罹患していたと考えられます。中国後漢時代に書かれた『傷寒論』にはインフルエンザに類似した急性熱性疾患に対する治療法が解説され、頭痛・肩こり・発熱・悪寒などの初期症状にが適応と記されています。麻黄湯はインフルエンザの初期に保険適用があり、抗インフルエンザウィルス薬との併用が有効であると考えます。
漢方薬ですので小児は服用が難しいと思いますが、うまく服用させるためにはリンゴジュースなど酸味が強いものや、味の強いチョコレートのアイスなどと混ぜると飲みやすくなるという調査があります。
先ずH5N1型高病原性鳥インフルエンザについて述べると、同感染患者の病態では、重症肺炎と全身感染が特徴的で、呼吸器感染+ウイルス血症を来たし、サイトカインの"嵐"による多臓器不全であり、小児・若年成人を中心に、致死率は60%以上です。これが20%ぐらいまで低下するとパンデミックを起こす危険性を孕んでおり、このウイルスのHAタンパクの僅か数か所のアミノ酸変異で、ヒト-ヒト間の感染伝播性を獲得(ヒト型に変化)する可能性があり、鳥の間での伝播拡大が続いていて、インドネシア、中国でブタに不顕性感染がみられ、鳥型ウイルスがヒト型へ変身しつつあることに注目したい。
またPandemic (H1N1)2009は幸いにも弱毒型で人々は助かったが、わが国では国家危機対応体制の欠陥と法的基盤に立つ健康危機管理体制の欠如が露呈したため、その反省から2013年4月に新型インフルエンザ等特別措置法が制定されました。
2013年2月19日に上海市で最初の患者を確認したH7N9鳥インフルエンザウイルスのヒト感染では、その後3~4月をピークとして、揚子江河口域を中心に10の省、市に拡大し、確認患者数135名、死亡42名(致死率30%以上)、中高年層が大多数を占め、(年齢中央値59歳)、男性:女性=2.7:1、患者の76%が基礎疾患をもち、高齢者は重症化し(致死率40%)、大多数は重症肺炎、多臓器不全に陥いるが、少数の小児、若年者は軽症、北京の6歳男児が不顕性感染でありました。
中国当局の正式発表(2013年7月まで)では、患者同士の接触歴無し、家族内感染・院内感染が疑われる例もある。継続的なヒト-ヒト間の感染伝播は確認されず、市場での家禽からの感染が主な感染経路で、約30%の患者には鳥との接触歴は無かった。8万羽の家禽の調査にもかかわらず、数ヵ所の市場で40羽の鳥(ニワトリおよびハト)でウイルス陽性のみ。養鶏場では検出されず、野生のハト1羽でウイルス陽性(ウイルス陽性の鳥は不顕性感染)、ブタでの感染は確認されず、5月下旬以後、新規患者の発生はなくなりました(終息宣言)。A(H7N9)鳥インフルエンザウイルスの性状は、3種類の鳥ウイルス由来の遺伝子再集合体であり、HAとNAはユーラシア系統の鳥ウイルス由来、6内部遺伝子は中国の鳥H9N2ウイルス由来で、鳥では不顕性感染、動物でも病原性は低いと予想され、ヒトに感染し、増殖し易く変化している。A(H7N9)ウイルスの性状は、マウス、フェレット、ブタ、サルなどの哺乳動物の呼吸器に感染が成立し、鳥型ウイルスよりも病原性は高まっている。
H5N1とは異なり、ウイルス血症や全身感染は起こさない。軽度のサイトカインストームを誘起する可能性があります。ヒト-ヒト間の効率の良い感染伝播は認められていないが、動物実験の結果からは、飛沫感染伝播が起こり得る。今後効率の良いヒト-ヒト間の感染伝播を起こすように変異する可能性があります。殆どのヒトは免疫を持たないので、パンデミックが起これば大きな流行が予想される。
ラベプラゾールナトリウム・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン
子どもの誤飲事故の約20%は、医薬品などによるものです※1。子どもは何でも口に入れる傾向があり、それが薬かどうかがわかりません。食後に飲もうとテーブルに置いておいた薬を、乳幼児が飲んでしまったケースもあります。誤飲を防ぐために、子どもの手が届きやすいところに薬を置かないよう、常に注意しましょう。
※1 厚生労働省「家庭用品などに係る健康被害病院モニター報告」(平成23年度)
抗インフルエンザ薬(ノイラミニダーゼ阻害薬)は、タミフル(オセルタミビル)とリレンザ(ザナミビル)が中心でありましたが、2010年1月に点滴注射薬のラピアクタ(ぺラミビル)が、また9月には長期作用型吸入薬のイナビル(ラニナミビル)が保険適用になりました。タミフル・リレンザは1日2回、5日間服用する必要がありましたが、ラピアクタ・イナビルは1回の投薬で効果が得られます。またラピアクタは点滴で投与する薬剤であり、薬が飲み込めない高齢者にも対応できます。
インフルエンザの予防にはインフルエンザワクチン接種をお薦めします。 薬の効果 ..
COPDや気管支喘息は呼吸器ウイルス感染により増悪を来たすが、COPDの研究(Rohde G, et al. Thorax 2003)によると増悪の際の56%でウイルスを検出し、その種類はライノウイルス(36%)、A型インフルエンザウイルス (25%)、RSウイルス (22%)であった。クラリスロマイシン投与はこれらの難治性喘息およびCOPD増悪に対し予防効果がみられ、最近の報告(Albert RK, Connett J, Bailey WC, et al. Azithromycin for prevention of exacerbations of COPD. New Engl J Med 365: 689-698, 2011. )では、アジスロマイシンで増悪抑制、増悪頻度減少、最初の増悪までの期間延長、QOL改善およびウイルスに対する抑制効果がみられた。またインフルエンザ治療においてクラリスロマイシンを上乗せすると咳や鼻水に対し効果がみられる。
クラリスロマイシンの増悪予防効果の機序として気道クリーニング作用が挙げられるが、ニュージーランドからの報告(Simpson JL, et al. Am J Respir Crit Care Med, 177: 148-155, 2008)によると難治性喘息におけるQOL改善、喀痰中のIL-8、メタロプロテイナーゼ、好中球数 好中球エラスターゼの減少作用がみられ、難治性喘息におけるマクロライドの追加投与が重要であります(クラリスロマイシン 500mg x 2 daily)。
インフルエンザワクチンの接種を受けた後の注意としては、接種後24時間は副反応の出現に注意し、接種後30分以内は特に注意し、医師とすぐに連絡をとれるようにしておきましょう。接種部位は清潔に保ち、当日の入浴は差し支えありませんが、過激な運動、大量の飲酒は避けましょう。よく起こるワクチンの副反応としては、接種部位が赤く腫れたり、硬くなるなどの局所反応がみられることがありますが、通常は2~3日中に消失します。
インフルエンザウイルス感染におけるクラリスロマイシンの投与効果の検討
○抗インフルエンザウイルス薬の予防投与について(平成21年8月25日 厚生労働省)
・原則として予防投与は行わないが、基礎疾患を有する者等で感染が強く疑われ、かかりつけ医により重症化の危険性があると判断される場合には、予防投与を行う。
・抗インフルエンザウイルス薬は、通常に流通しているものを使い、必要な費用は、被投与者の自己負担とする。
妊婦ではアジスロマイシンもしくはクラリスロマイシンのいずれかを選択(米国 Food and Drug.
○ファクシミリ等での抗インフルエンザ薬の処方について(平成21年10月16日 厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部)
・各都道府県の判断により、慢性疾患等を有する定期受診患者等については、感染源と接する機会を少なくするため、電話による診療により診断できた場合には、診療した医師はファクシミリ等により抗インフルエンザウイルス薬等の処方せんを患者が希望する薬局に送付することが可能となること。
・長野県では10月28日から可能となった。(平成21年10月28日付21健号外・21薬号外 長野県衛生部長)
米国予防接種諮問委員会勧告によるインフルエンザ予防接種の対象, 2004
インフルエンザの呼吸器症状に対するクラリスロマイシンの効果
-オセルタミビル治療例およびザナミビル治療例での比較検討-
予防接種を受けておくと、A型・B型とも2種類ずつ、合計4種類のインフルエンザウイルスに対して予防効果が期待できます。 ..
○出席停止の期間(学校保健安全法施行規則の改正(平成24年4月1日施行))
・インフルエンザの出席停止期間の基準については、「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児にあっては、三日)を経過するまで」に変更された。尚、発症日、解熱日を0日として数える。
つまり、発症日を0日目として、三日目までに解熱した場合は、六日目から出席可である。
治療は、抗菌薬(エリスロマイシン、クラリスロマイシンなど)の内服が中心となります。 ..
○抗インフルエンザウイルス薬の選択(10代の患者にタミフルを投与してよい)(平成21年8月28日 新型インフルエンザの流行シナリオ)
・10代の患者についても、合併症・既往症等からインフルエンザ重症化リスクの高い患者に対し、タミフルを慎重に投与することは妨げられておらず、
インフルエンザ予防接種 · 赤ちゃんの予防接種 · 小学校入学前の ..
○備蓄薬の放出について(平成21年9月4日)
通常流通している抗インフルエンザウイルス薬の市場在庫の枯渇が予測され、新型インフルエンザを治療する医療機関及び抗インフルエンザウイルス薬を調剤する薬局において治療等に影響がある場合に「県備蓄薬」を放出する。
☆インフルエンザにクラリスロマイシンが有効
・大正富山医薬品株式会社のデータによると
①クラリスロマイシンの添加により、培養細胞におけるインフルエンザウイルスの増殖を抑制した。
②クラリスロマイシン投与により活発な線毛運動が維持され、ウイルスの増殖も抑制されていることがわかった。
③クラリスロマイシンはIL-12の産生促進を介して、粘膜免疫に重要なIgAなどの抗体産生を増強していることが明らかになった。
ということです。
東北大学の渡辺彰助教授によると「ニューキノロン投与の場合と比較し、マクロライド投与のほうが発熱回数、発熱日数共に有意に抑えられました。また、インフルエンザ様疾患患児にセフェム系抗生物質を投与した場合と比べ、マクロライド系抗生物質を投与した場合の方が発熱期間が有意に短縮し、肺炎合併率も減少していることがわかります。」ということです。渡辺彰:日胸62(9):819-827二宮恵子:JJ Antibio 56(A):84-86,2003 (2004.12.08記)
なかでも、クラリスロマイシンやアジスロマイシンが処方されることが一般的です。
○うがいは効果あるでしょうか
ウイルスが気道上皮に付着してから上皮細胞内に侵入するまでの時間は30分程度と言われています。したがって感染をおこす環境においては30分おきにうがいを繰り返さないと効果はないと思われます。
翌日、医療機関を受診し、クリンダマイシン点滴、クラリスロマイシン経口投与。 ..
○インフルエンザ外来診療における感染防御の方法(平成21年8月27日 長野県衛生部)
・玄関・入口等に近いところで患者・来訪者に対してインフルエンザ様症状の有無を確認するか、注意を促すよう努める。
・可能な限り、インフルエンザ様症状の患者とその他の患者の受診待ちの区域を分けるように努める。(衝立をたてるなど)
・患者が触れた部分は、適宜、アルコール等で消毒をする。
・常時、サージカルマスクを着用していることが望ましい。
・検体を採取する場合は、眼の防護(ゴーグル等)と手袋を追加する。そして、この手技は、他の患者からなるべく離れた場所で行う。
通常、成人にはクラリスロマイシンとして1日400mg(力価)を2
○ワクチンの有効性について
・インフルエンザワクチンは、重症化や死亡の防止については一定の効果がありますが、感染防止に対しては効果が保証されるものではありません。
・いま日本で使われているワクチンは、以前にかかった人の免疫を高めるものであって、感染したことのないウイルスに対しては、効果が限られている(平成21年11月 日本医師会雑誌)
・インフルエンザワクチンは発症を防ぐ効果はあるだろうが、いったん発症すると、脳症の発病阻止には有効性がないということです。(平成21年11月 日本医師会雑誌)
・インフルエンザは気道から侵入するので、これを予防するためには気道で働くIgA抗体ができていることが必要ですが、現在の注射によるインフルエンザワクチンではIgA抗体はできずに、IgG抗体しかできません。IgG抗体はインフルエンザの重症化を防ぐのには役に立ちますが、気道から進入しようとするウイルスを局所で追い出すことはできないのです。(大阪大学大学院医学系研究科・免疫動態学 宮坂昌之先生 談)
・AP通信によると、ポーランドはワクチンを一切輸入していないが死亡率は他の欧州諸国と大差なかった。(平成22年2月24日 毎日新聞)
・医療従事者が再認識すべき、重要なインフルエンザワクチンの常識は、
①A香港型インフルエンザが流行した場合、高齢者にはほとんど効果がない。
②健康成人であっても、発病防止効果は40~50%でさほど高くないし、抗原変異があれば、健康成人での発病防止効果も大幅に低下する。
A香港型インフルエンザに対してワクチン効果が低い原因は、ワクチン製造の際の「鶏卵内での抗原変異」である。
鶏卵内での抗原変異は、H1N1/09にはなく、したがって鶏卵で製造したH1N1/09のワクチンは高い有効性がある。
日本では、B型インフルエンザに対するワクチン効果は低いというのが、一般的な意見である。しかし、欧米の報告を見ると、一定して50~70%の発病防止効果があり、それは小児でも高齢者でも変わらない。B型インフルエンザは、小児では入院の原因にもなり、学級閉鎖、休校を引き起こす。成人では、B型インフルエンザが流行しても、超過死亡の増加は見られず、高齢者やハイリスク患者での重要性は低い。
高齢者でのインフルエンザワクチンの重症化防止効果が強調されてきたが高齢者のワクチン接種率が高い米国、フランス、イタリア各国においても、超過死亡が低下しないことから、最近ではこのような高い重症化防止効果は疑問視されている。
菅谷憲夫 INFECTION FRONT Vol.35 P5-7 2015
代わりに、細胞膜を標的とするマクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン)が効果的です。 ..
○成人のインフルエンザ脳症
松本市の国立病院機構まつもと医療センターに勤務する40代の女性看護師が1月16日朝に自宅で38.7度の発熱があり、自宅近くの医院を受診。その最中に意識障害を起こして松本病院に救急搬送され、同日夕に松本市の信州大学病院に移された。17日朝にインフルエンザが原因で脳障害などを起こすインフルエンザ脳症で死亡した。松本病院によると、看護師はインフルエンザの予防接種を受けていた。看護師は10日にインフルエンザで入院した3人の患者の担当だった。持病はなく、昨年も健康診断を2回受けており、前日の勤務でも体調に変化はなかったという。(平成27年1月20日付信濃毎日新聞)
インフルエンザ脳症とは、ウイルスが脳に入って悪さをするのではなく、ウイルスに体の免疫が過剰反応して起きると考えられている。通常は小児がかかり、健康な成人は国内で1シーズンに1人かかるかどうかという極めてまれな病気だ。(平成27年1月21日付信濃毎日新聞 金井信一郎信州大病院感染制御室副室長談)
○季節性インフルエンザによる死亡者数
人口動態統計によると、過去10年間に季節性インフルで無くなった人は年平均約800人もいる。インフルをきっかけに肺炎などで亡くなった人の数を示す「超過死亡」という推定値でみても、季節性が流行した年は高齢者を中心に数千人~3万人が亡くなっている。(平成21年12月27日 読売新聞)
ジスロマック=アジスロマイシンや、クラリス=クラリスロマイシンなどの薬剤が必要です。
○予防接種後副反応等に関する説明をしなければならない(平成21年10月13日 厚生労働省発健1013第4号)
・予診の際は、インフルエンザワクチンの効果や限界、リスク、製品特性(製造法、アジュバントの有無、チロメサール等防腐剤の含有の有無等)、インフルエンザの予防接種後の通常起こり得る反応及びまれに生じる重い副反応並びに健康被害救済制度について、優先接種対象者又はその保護者がその内容を理解し得るよう、「インフルエンザワクチンの接種に当たって」を用いて適切な説明を行う。