メラトニンにとってセロトニンは不可欠なホルモンということが分かりますね。


メラトニンには睡眠・覚醒リズムを調整する作用があるため、分泌量が減少してしまうと、眠りが浅くなったり、夜中に何度も起きたりするようになります。


メラトニンとは、脳の松果体で作られるホルモンであり、を行います。

「セロトニン」は別名「幸せホルモン」と呼ばれるホルモンです。まずは、セロトニンがどのような物質なのか、有田先生に教えていただきましょう。

「セロトニンは脳の中で合成・分泌される神経伝達物質で、大きく3つの働きがあります。1つ目は頭をスッキリさせる働き、2つ目は心を目覚めさせる働き、3つ目が自律神経を整える働きです。つまり、セロトニンがしっかり分泌されていると1日元気に過ごせて、身体も心も安定した状態になるのです。また、外見にも良い影響があって、顔がスッキリとして姿勢も良くなりますよ!」 (有田先生)

では反対に、セロトニンが不足してしまうと身体や心にはどんな影響が出るのでしょうか?

「朝起きても、身体も頭もスッキリしない。気持ちが目覚めないと、ネガティブな思考になってしまいます。。ちょっとしたことでイライラしたり、緊張が強くなったりして心が不安定な状態に。自律神経的には血圧も体温も上がらないので、体も動かしにくいと思います。また、見た目はなんとなくボーッとした印象になり、姿勢も丸まってしまいます。それくらい、セロトニンは私たちの健康に欠かせない存在。鬱病の人はセロトニンが少ないと言われているくらいなんです」 (有田先生)

心身ともに元気でポジティブな状態に導いてくれるという、セロトニン。「ぜひともたくさん分泌させたい!」と思った方も多いはず。しかし有田先生によると、「セロトニンは年齢とともに量が減っていく上、現代人はセロトニン不足の人が増えている」と言います。

有田先生は、セロトニン分泌を妨げる敵は「生活習慣」にあり!昼夜逆転の生活や、パソコン・スマホの見過ぎ、慢性的なストレスなどはセロトニンの分泌を鈍らせると言います。また、現在のコロナ禍によっても外出や運動の機会が減ったことでストレスが溜まり、セロトニン欠乏だと思われる症状を感じる人が増えているそう。現代人がまさに今、しっかりと向き合うべき悩みだと言えそうです。

「メラトニンの分泌を促すにはどんなことに気を付ければ良いのかな?」

実はメラトニンの分泌量は子どもの1~3歳頃をピークに思春期以降徐々に減少していきます[5]。

生体リズムに関わるメラトニンが体にどのような支障が出るか気になる方もいらっしゃるでしょう。

ここからはメラトニンを分泌させるために欠かせない三つのポイントを紹介します。

若い頃に比べてぐっすり眠れなくなったという人や睡眠時間が短くなったという人は、メラトニンの分泌量が減り睡眠・覚醒リズムの調整機能が衰えている可能性もあるでしょう。

メラトニン不足によって満足に睡眠がとれずにいると体の抵抗力まで低下してしまい、かぜをひきやすくなることもあります。

メラトニンは日中に分泌したセロトニンが原料となって分泌されます。

光により分泌がコントロールされており、暗い環境では松果体からメラトニンが分泌され眠気をもたらします。また、明るい環境では、メラトニン分泌は低下します。

つまりセロトニンの分泌量がメラトニンの分泌量を左右するため、メラトニンを十分に分泌させるためには日中にセロトニンが十分に分泌されることが重要といえます。


メラトニン分泌の変化は注意欠如多動症(ADHD)症状と関連する

朝、光を浴びると、メラトニンの分泌が止まり、経過すると体内時計からの指示にて再び分泌されます。

しかし有田先生によると、「セロトニンは年齢とともに量が減っていく上、現代人はセロトニン不足の人が増えている」と言います。 ..

しかし、セロトニンはメラトニンの生合成に欠かせないホルモンであり、とても深い関係があるといえます。

ヒトが眠るには〝睡眠ホルモン〟と呼ばれる「メラトニン」を体内で増やす必要があります。

徐々にメラトニンの分泌が高まり、その作用で深部体温が低下して、夜間に自然な眠気を感じるようになるのです。

夕方に過度の光を浴びることや、日中の日光不足は正常メラトニンサイクルの崩壊を引き起こします。

メラトニンの分泌には就寝前から部屋の照明の明るさを抑えることが重要です。

よく、睡眠不足になると肌が荒れるとか夜更かしはお肌の美容に良くないとか ..

セロトニンは朝になるにつれ分泌されるのに対し、メラトニンは夜になると分泌されるため、二つのホルモンの関係は一見対立しているように感じる方もいらっしゃるかもしれません。

メラトニンは朝起きてから 14~16 時間で分泌される(睡眠を誘発するホルモン ..

メラトニン(Melatonin, N-acetyl-5-methoxytryptamine)はその大部分が脳内の松果体で産生されるホルモンです。メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを原料(基質)として合成されます(図)。その過程で、セロトニンをN-アセチルセロトニンに変換するN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)の活性が体内時計と外界の光の両者の調節を受けます。具体的には、体内時計(視床下部の視交叉上核:しこうさじょうかく)が発振する概日リズムのシグナルは室傍核(しつぼうかく)、上頸神経節を経て松果体に伝達されてNAT活性を「抑制」します。体内時計の活動は昼高夜低であるため、結果的に松果体でのメラトニンの産生量、すなわち血中メラトニン濃度は逆に昼間に低く夜間に高値を示す顕著な日内変動を示します。

大人のようにすでにできてしまった睡眠システムではありません その期間に不規則な睡眠環境、慢性的な睡眠不足 ..

●リズム運動を行う
「一定のリズムでできる簡単な運動を取り入れるのも効果的です。例えば、ウォーキングで身体を動かす、朝ごはんをリズムよく咀嚼して食べる、吐く息を意識して深呼吸をするなどです。私のおすすめは、朝起きて太陽の光を浴びながら30分ほど、疲れない程度に散歩することですね。これで日光浴とリズム運動を同時に行うことができます。ただし、『集中して行う』ことがポイント。“ながら”ではセロトニン活性化に繋がらないので、行動に集中して行ってください」(有田先生)

セロトニンが不足すると抑うつ状態や不安障害になりやすく、これらは不眠や過眠などの睡眠の問題の原因となりますので、セロトニン不足 ..

●「トリプトファン」が含まれた食材を食べる
「セロトニンの材料になる栄養素は『トリプトファン』といって、自分では作れません。外から摂取することが必要なので、トリプトファンが含まれた食材を積極的に摂るよう意識したいですね。トリプトファンが多く含まれる食材は、豆腐・納豆・味噌・醤油・がんもどきといった大豆製品。牛乳・バター・チーズ・ヨーグルトといった乳製品にも豊富に含まれています。またセロトニンを合成するためには炭水化物とビタミンB6も補助的に必要になります。ビタミンB6はナッツや青魚などに多く含まれています。偏食さえしなければ日常的に十分摂取できるので、バランスの良い食事を心がけましょう」

睡眠不足と子どもの成長や発育にはどのような関係がありますか? 保護者 星

メラトニンについて知るにあたって、合わせて確認しておきたいのが「セロトニン」というホルモンの知識です。

睡眠不足になると、イライラしたり、元気がなくなったりします。一方、「寝る子は ..

NAT活性は外界の光の影響も受けます。光が瞳孔を通って網膜にあるメラノプシン発現網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive RGC:ipRGC)を刺激すると、そのシグナルが網膜視床下部路を経て視交叉上核に到達して体内時計を活性化し、上述の経路を通じてNAT活性を抑制します。日中は照度が数万〜十数万ルクスもある太陽光のような強い光によってメラトニン分泌量は著しく低下しますが、夜間であっても明るい人工照明が目に入ることによってメラトニン分泌量は低下します。例えば家庭照明の数百〜千ルクス程度の照度の光でもメラトニン分泌が抑制されることがあります(個人差あり)。ipRGCは青色光(ブルーライト)に反応しやすく、白色LEDには青色光成分が多く含まれているため、睡眠や体内時計を乱すのではないかと指摘され、「ブルーライト問題」として有名になりました。このように、メラトニン分泌は体内時計と環境光の両方から調節を受けています。

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多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖(メラトニンには性腺萎縮作用があります)などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があります。

睡眠不足になると、肌荒れやニキビなどの肌トラブルに悩む人がいるでしょう。睡眠 ..

このようにメラトニンは抗酸化作用が期待できるため、老化やしみ、しわなどの予防につながるかもしれませんね。

メラトニンは、体内時計のリズム調整に関わっていると考えられているホルモンです ..

浜松医科大学子どものこころの発達研究センター 高橋長秀 客員准教授(名古屋大学医学部附属病院親と子どもの心療科 准教授)、土屋賢治 特任教授(大阪大学大学院連合小児発達学研究科 特任教授(常勤))のチームは、「浜松母と子の出生コホート研究(HBC Study)」の一環として、台湾国立大学との共同研究を行い、夜にメラトニンの分泌が低下しやすい体質(遺伝子の変化)を持つと、注意欠如多動症(ADHD)の症状が強くなることを見出しました。

これらを放っておくと、集中力や記憶力が低下することで勉強に影響が出たり、倦怠感から運動不足 ..

メラトニンはセロトニンから生成されるため、冬季うつとの関連もあります。

さらに小林先生は「加齢以外の原因でもターンオーバーは低下し、その一因が睡眠不足です」と指摘します。 ..

メラトニンは光を浴びると分泌が抑制されるために、これまでに夜間のメラトニンの分泌を正確に測定するには特殊な条件で行う必要がありました。尿中のメラトニン代謝物は分解されにくく安定しているため、その測定を行うことで夜間のメラトニン分泌量を正確に推測できることを利用して、近年、台湾国立大学の研究者らは、メラトニンの分泌に関与する遺伝子の変化を明らかにしました。本研究では、まず、メラトニン分泌に関する遺伝子解析を利用して、メラトニン分泌とADHDの診断には、遺伝的な関連性が強いことも明らかにしました。