ハンニバル210×297×4mmサイズ 左開き 無線トジ(糊どめ)52頁 2001 ..


この映画『(Hannibal)』は2001年のカ・イギリス・イタリア合作映画で、『』(1991年)の続編にあたります。


ハンニバル』原題: Hannibal製作年:2001年製作国: ..

一体何の話をしているのでしょう?蛍の生態をご存じの方なら分かるのですが~~。蛍の成虫は水しか飲みませんが、幼虫は淡水の巻貝などを餌とします。それが、ハンニバルの城では蝸牛だったのですね。さらに「ホタルの幼虫は消化液を出し、餌を体外でで溶かして肉汁にして啜る」という定説が長年信じられていました。このことを、ハンニバルはお得意の難解な言い回しを使って、話していたのです。

「昆虫には苦悩の種となるモラルがない。ウィルは不可避な変化に苦しんでいる」と語るハンニバル。アラーナや千代との応対でも分かるように、ウィルはハンニバルに近い存在、人心操作に巧みな殺人者になり始めているようです。先ほども述べましたが、自分の中にあるハンニバルのイメージを模倣する衝動に駆られていると、私には見えますが...。
それでも、変態には痛みが伴いますかと。そこを語っているのでしょうか?

トマス・ハリスの“ハンニバル・レクター”三部作と映画化をめぐって

「本能は抑圧できる。牧羊犬は羊を襲わない」とべデリアは主張しますが、
「本当は襲いたいのだ。ウィルのモラルは、もはや唖然とするような状況にある」と、ウィルの変容に自信を持つハンニバル。

吹き替え:檀臣幸(ソフト版)

イタリア共和国トスカーナ州フィレンツェで、スリを生業とする若者である。フィレンツェ警察のレナルド・パッツィ刑事に何度か逮捕されており、彼に対して頭が上がらない。まさにスリをした直後に現場を押さえられ、罪を見逃す代わりにパッツィに協力することになる。

パッツィは、ある男の情報を売って懸賞金を稼ごうとしていた。そのために、確実な証拠として彼の指紋が必要であった。しかし、その男は日頃から慎重に行動しており、隙を見せなかった。そこで、顔の知られていないニョッコに白羽の矢を立てたのだ。
ニョッコに銀の腕輪を着けさせ、わざとスリに気付かせることで男に腕輪を掴ませ、指紋を取るのだ。腕に自信のあるニョッコは、スリに関してまず失敗などしない。だからこそ、わざとミスしてみせるのもお手の物である。彼にとってこれは、簡単な仕事になるはずであった。

だが、ニョッコにとって不幸だったのは、相手が連続殺人犯のハンニバル・レクターであったことだ。パッツィからそこまで聞かされていないニョッコは、いつも通りに仕事を済ませようとレクターに近付いた。しかし、レクターは早くからニョッコの存在に気付いており、待ち構えていたのだ。
ふたりはほんの少し重なり合い、行き違った。その際、レクターの目は鋭い光りを放ち、一方のニョッコは驚いたような表情で目を見開いた。まさに一瞬の出来事であった。

レクターが立ち去ったのを確認したパッツィがニョッコに駆け寄ると、彼は微笑みながら「やったぜ。きっちり頂いた」とつぶやくが、そのまま力なく崩れ落ちてしまう。倒れそうになるニョッコを抱え、ひと気のない道路脇に座らせたパッツィは彼から丁寧に腕輪を外す。ニョッコは震えながら太ももの付け根を手で押さえているが、隙間から鮮血が吹き出していた。すれ違いざま、レクターに刺されたのだ。

だが、レクターは腕輪を掴んで防御態勢を取ったらしく、くっきり指紋が付いていた。おそらく、スリではなく暗殺者と思ったのだろう。パッツィにとっては想定内であったのか、そんな彼の姿を見ても特に驚いた様子は見せず、ただ心配するそぶりをしながら傷口を押さえるニョッコの手を取った。
「やめろ、触るな」と言って、ニョッコは抵抗する。だが、パッツィは彼の手を離さない。さらに傷口から大量の血液が吹き出し、ニョッコはやがて息絶える。パッツィはニョッコを助ける気など、始めから無かったのだ。そのまま彼を置き去りにしたまま、何事も無かったようにどこかへ消えてしまった。

『ハンニバル』『羊たちの沈黙』の視聴順番をあらすじとともに紹介。さらにドラマと映画との違いやタイトルの意味まで解説していきます。

「様々な意図の出入りを追い続けると、あなたが座してウィル殺害を待っている間に、彼はあなたを殺しにやってくるということになるわ」と、ウィルの変容にはハンニバルへの殺意が先行することを指摘する、策士のべデリアでした。

吹き替え:中尾隆聖(ソフト版)、樋浦勉(テレビ朝日版)

メリーランド州ボルチモアで、古くから威勢を誇る大富豪一族のひとりである。広大な敷地に、まるで城のような豪勢な邸宅を構える。しかし、車椅子での不自由な生活を余儀なくされており、顔面は無残に傷付き醜悪な姿である。そのため、あまり外出せずひっそりと暮らしている。
連続殺人犯ハンニバル・レクターが起こした事件の4人目の被害者であり、唯ひとり重症を負いながらも生残った。おそらく、レクターはあえて彼を生かすことで罰を与えたのだろう。以来、ヴァージャーはレクターに復讐するため、潤沢な資金を背景に逃亡犯である彼を追い続けている。

常に傍らに置くのは、主治医のコーデル・ドームリング医師だ。彼は生活全般の世話と、医療行為、そして執事のような役割も担っている。雇えば何人でも侍らせることは可能だろうが、傲慢で自尊心の強いヴァージャーは醜い自らの姿をおそらく嘆いており、他人から浴びる視線に我慢がならない。
仕方なくコーデルを高額の報酬で雇い、身近に置きおよそ必要な全てのことを命じて行わせている。当然ながら、ヴァージャーの目に触れない部分では大勢の者が彼のために働いているのだろう。だが、コーデルの仕事は負担が重いうえ、ヴァージャーの内面的な醜さをも目の当たりにする機会が増えることになってしまう。

レクターとの関係は、ヴァージャーが起こした児童虐待事件がきっかけだった。彼は、一族が古くから行っているチャリティー活動を利用し、また日頃から機会を見つけては子供たちに性的ないたずらを続けていた。ヴァージャーは小児性愛者なのだ。やがてその事実が発覚し、逮捕及び起訴されてしまう。

しかし、長年に亘る政界への献金と、高額報酬で優秀な弁護団を雇った甲斐もあり、有罪判決ではあったが心神喪失で投獄を免れた。その際、心理カウンセリングを受けることを条件とされたため、精神科医をしていたレクターと出会うことになる。

レクターと親しくなったヴァージャーはボルチモアで部屋を借り、彼を個人的に招いた。そして、最高級のディナーとワインを振る舞い、得意満面であった。酔いが回り、ヴァージャーがふざけ始めるとレクターは「もっとハイにならないか?」と提案した。ヴァージャーはその時、死なない程度に自ら首にロープを巻き付けて天井から吊り下がり、さらにはズボンを脱いでいた。この状態で性行為に及ぶのが彼の趣味嗜好なのだ。
その提案にヴァージャーが快諾すると、レクターは用意しておいた薬剤(麻薬のようなもの)を彼に嗅がせた。途端に意識が飛び、ヴァージャーは夢心地に陥る。レクターが「どんな笑顔で子供達を誘ったんだ?見せてみろ」と言うと、ヴァージャーはケタケタと笑い始めた。
それを見たレクターは、割れた鏡の破片をヴァージャーに渡し「これで顔の皮を剥ぐんだ。そして、それを犬に食わせろ」と命じた。すると、ヴァージャーは素直にその命令に従い、自らの顔面を切り取り始める。そして、次々と床に落ちてゆく血にまみれた肉片に、ヴァージャーの飼い犬が食らい付く。狂気に満ちた地獄絵図であるが、顔面の皮膚を失いながらも当の本人は至って上機嫌で「ザッツ・エンターテインメント!」と叫んでいた。

その後、さらにレクターはヴァージャーを痛め付けるが、殺すことも彼を調理することも無かった。顔面を破壊し、半身不随の状態で生かすことでヴァージャーを罰したのだろうか。事実、ヴァージャーは生殖機能を失ったため子供たちを襲うことも無く、人々から奇異の目で見られる屈辱を味わいながら、残りの人生を送らなければならなかった。
レクターに復讐を誓うヴァージャーは、ある計画を周到に進めていた。何頭もの大型のイノシシを獰猛かつ凶暴に育て上げ、レクターの肉を食わせようとするものだ。しかも、まずは足から始めて7時間放置した後、本格的に残り全てをイノシシに与えるという。その間、レクターが死んでしまわないように、点滴を投与するという念の入りようである。

ヴァージャーはあらゆる手段に資金を投入し、レクターに関する情報を集めた。それにより彼の潜伏場所を特定することはできたが、捕獲には失敗する。だが、諦め切れないヴァージャーはレクターと関係の深かったFBI捜査官クラリス・スターリングを罠に掛け、ついに彼をおびき出すことに成功する。そして、配下のカルロ一味によってレクターは捕らえられた。

ヴァージャーが所有する、広大な敷地にある古い納屋のひとつにレクターの処刑場が作られていた。そこへ彼を連れていき、ヴァージャーは復讐を果たそうとする。以前、レクターが収監されていた時と同じような格好で台に拘束し、異様なマスクを被せる。そして、まさに彼に向けてイノシシを放とうとするその時、彼らの居場所を突き止めたスターリング捜査官が現場に突入したのだ。

彼女の目的はレクター救出では無く、犯罪者として逮捕するためであった。しかし、ヴァージャー配下のカルロ一味と銃撃戦になり、スターリングは負傷して気を失ってしまう。カルロ一味はスターリングの銃撃によって、死亡するか戦闘不能に陥り、結果としてレクターは拘束を逃れる。飢えたイノシシの群れは、スターリングを抱きかかえて立つレクターを素通りし、血を流して悶絶するカルロ達に襲いかかった。血の匂い、そして叫び声に反応するよう育てられていたため、静かに立つレクターには目もくれなかったのだ。

慌てたのはヴァージャーである。コーデルを伴い、車椅子で見物席(階上にある)に到着したがすでに時遅く、レクターを葬るはずの処刑場は意図するものとは違う形で修羅場と化していた。ヴァージャーは声を張り上げ「カルロたちが落とした銃を拾って、レクターを撃て!」と、コーデルに命じた。しかし、コーデルは一介の医者に過ぎない。激しく躊躇(ちゅうちょ)していると、レクターは悪魔のようなアドバイスをコーデルに与えた。
「コーデル、その男を突き落としてやれ。私がやったと言えばいい」レクターの言葉を受け、コーデルは少しだけためらいを見せた。しかし次の瞬間、意を決したように車椅子を押し始めたのだ。コーデルにしてみれば、ヴァージャーの異常な性格や傲慢な態度、ストレスだらけの日常にうんざりしていたのだ。忠誠心など、そもそも無かったと言ってよい。

「何をする、やめろコーデル」ヴァージャーはそう言って、必死に逃れようと試みたが半身不随の彼には為す術もなかった。そのまま2メートル下の地上に落下したヴァージャーは、レクターに与えたかった苦痛をそのまま、自身で味わうことになってしまった。つまり、復讐のために育てた大型イノシシによって食い殺されたのだ。

全米で大ヒットした話題のテレビドラマ「ハンニバル」の第3シーズンについて、ウィル・グレアムを演じるヒュー・ダンシーが語った。


サイコ・スリラーの最高傑作 の続編
SW風に言えばエピソード4に位置するが2作目である
前回主演のジョディ・フォスターがオファに対して
難色を示しジュリアン・ムーアがクラリスを演じたが
レクター博士は変わらずアンソニー・ホプキンス

社内のシーンに続くのは、ウィルが蜻蛉の飾り物にしたた男の死体とその上を這うねっとりした蝸牛の大写し。蝸牛と言えばハンニバルとべデリアの官能的な生活。


今日観た映画は「ハンニバル 2001/HANNIBAL」(2001年アメリカ映画)と ..

「あくまで猛獣の腹の中だよ」とダメ押しするウィル。千代に意地悪なくせに、自分と同じ被害者仲間にしたいんだね。
千代をハンニバルの特別じゃなく、せめて自分と同一線上の被害者にしたい
ってことですかね。性格悪いねえ、知ってるけど。

フランチェスカ・ネリアレグラ・パッツィ · ヘイゼル・グッドマンイヴェルダ(麻薬ディーラー)

ジュリアン・ムーア、、と並ぶ2001年公開作。
こう並べてみても、出演作を選ぶ基準がよくわかりません。
Wikipediaによると、2000年5月8日にフィレンツェでクランクイン、以後16週間、撮影日83日間とのことで、この中ではもしかすると『ハンニバル』が最初に撮影されているかもしれません。

「羊たちの沈黙」から10年、あのハンニバル・レクターの恐怖再来! 2001年 ..

タイトルの「ハンニバル」はレクター博士のファーストネーム。
『羊たちの沈黙』に続くレクター博士もので、今度の監督はリドリー・スコット。
お話は単体でもわかるかもしれませんが、やはり前作をおさらいしておいた方がより楽しめると思います。

『ハンニバル(Hannibal)』は01年の米国映画。 99年に発表された ..

パッツィは年の離れたアレグラと新婚ほやほや。自慢の妻を見せたかったのでしょう。若く美しい妻に何でも与えたい、イル・モンストロの件で土がついた捜査局での汚名を挽回したい、地位と財力を取り戻したいというパッツィ。そのために、パレルモまで出向いてのハンニバル捜索でした。

しかし、パッツィは逆に拘束されてしまい、妻アレグラを食すると言ってレクターに脅迫されました。

吹き替え:成田剣(ソフト版)

イタリア共和国トスカーナ州フィレンツェ警察の刑事で、警部補のレナルド・パッツィとは同僚である。見るからにお人好しで単純そうな人物だが、どこか憎めないところがある若者だ。

ある日、アメリカFBIのクラリス・スターリング捜査官から、高級化粧品店などの監視映像を送って欲しいとの依頼がフィレンツェ警察にあった。ベネッティはその映像をビデオテープにコピーしてFBIに送るよう、上司から命じられる。彼が嫌々ながら作業するのを、何気なく見ていたパッツィはあることに気付いた。だが、そのことをベネッティには隠したまま「俺が送っといてやる」と口実を作って、そのビデオテープを奪った。ベネッティとしては仕事が楽になるだけなので、ことさらその件を問題にもしなかった。

だがベネッティそしてパッツィも、この時点では全く知る由もなかったのだが、監視映像の中には国際指名手配犯「ハンニバル・レクター」が映っていたのだ。パッツィは、ある失踪事件の捜査の過程でフェル博士という人物と会っており、どうやら何かひらめいたようなのだ。そのフェル博士こそ、実はレクターだったのだから「さすがはベテラン刑事」といったところであろう。

ところが、いつまで経っても特定の地域だけビデオテープが届かないため、スターリング捜査官はフィレンツェ警察に問い合わせの電話を掛ける。受話器を取ったベネッティは、女性捜査官の声を聞き、若者らしく色んな想像を巡らせた。その声が知的で淀みなく澄んでいて、とても若々しかったからだ。彼女は映像が届いていないため、もう一度コピーを作成して欲しいと依頼した。ベネッティは「お安い御用」とばかりに快諾し、さらに会話を続けようと試みたが、用事を済ませたスターリングはすぐに電話を切ってしまう。

少し残念な気持ちになりながら、ベネッティは手元のメモに何やら書き足した。とても下手くそな、裸の女性を描いた落書きの続きだ。一方、スターリングの手元にも落書きの絵が書かれていたが、それはおかしなヒゲを生やす「葉巻をくわえた中年男」であった。

アレグラにオペラの予約をせまがれるが・・・目線はパソコンに集中した

出演は……
FBI特別捜査官クラリス・スターリングにジュリアン・ムーア。
フィレンツェに潜むフェル博士ことハンニバル・レクター博士に、前作と同じくアンソニー・ホプキンス。
レクターに対する復讐心だけで生きてるような大富豪メイスン・ヴァージャーにゲイリー・オールドマン。
よせばいいのに報奨金目当てにレクター博士を追うフィレンツェ警察リナルド・パッツィ刑事にジャンカルロ・ジャンニーニ。
その美しき若妻アレグラ・パッツィにフランチェスカ・ネリ。
クラリスを窮地に追いやる司法省のクレンドラーにレイ・リオッタ。
看護士バーニーに前作と同じくフランキー・R・フェイソン。

ハンニバル (完全盤) (2枚組) HANNIBAL (Complete) (2CD)

パッツィもハンニバルにしてやられた被害者というわけです。でも、この役者さんだとパッツィが体験しているのはミッドライフクライシス(中年期の精神的危機)に見えてしまいます。

LET MY HOME BE MY GALLOWS (9:16) 22

僕の方があの人のこと分かってる的なマウントですか?そんなの、パッツィ捜査官に教わったんじゃないですか?視聴者も皆気づいてますすよ。最初からフィレンツェ行けばいいのに、ハンニバルの故郷に出向いたんでしょう。で、千代に出会って、ご機嫌斜め。なんか、分かり易い嫉妬深さなんですよね、ウィルって。

AN OLD FRIEND (4:28) DISC TWO 01

吹き替え:星野充昭(ソフト版)、諸角憲一(テレビ朝日版)

メリーランド州ボルチモアの大富豪、メイスン・ヴァージャーの主治医である。身体の不自由な彼の介護から、生活全般に渡る世話と健康管理、そして執事や秘書のような役割もこなしている。

連続殺人犯ハンニバル・レクターの犠牲者であるヴァージャーは、顔面を毀損されたうえ半身不随にされたが生き残った。小児性愛者だった彼は、逮捕・起訴されたが大富豪ゆえに潤沢な資金力を使い、投獄を免れた。だが、レクターに痛め付けられ、ますます人格に異常をきたすようになる。逃亡中のレクターをなんとか探し出し、復讐するのがヴァージャーの唯一の生きがいであった。

元々、傲慢で自尊心の強い男だったヴァージャーは、醜い姿を人に晒すのを嫌がった。そのため、身辺にあまり人を置きたくなかったので、コーデルを高額な報酬で雇ったと思われる。彼なら医師免許があるため、容態悪化の際にも対処できるからだ。しかし、医師の仕事より生活全般の世話(排泄や着替えなど)とヴァージャーが行っているビジネスや、それ以外の管理業務などの方が圧倒的に多い。人として、初めのうちは同情から忠節心を感じていたかもしれないが、おそらくコーデルはとっくの昔にヴァージャーを見限っていたと思われる。
なぜかと言えば、ヴァージャーのレクターに対する異常な執着心と、常軌を逸した復讐計画を目の当たりにしたことも理由として挙げられるだろう。だが、それ以上に彼が発する人を見下した態度と、見た目をはるかに凌ぐ人格の醜悪さを知り、うんざりしているのだ。ただ、高額な報酬のみがコーデルをヴァージャー邸に引き止めていた。

ある日、ついにヴァージャーはレクターを捕らえることに成功する。そして、準備していた復讐計画を実行に移すべく動き始める。配下のカルロ一味に命じ、敷地内にレクター専用の処刑場を設け、大型のイノシシを何頭も運び入れた。以前からカルロたちに預け、凶暴に育て上げてきたのだ。
ヴァージャーは、このイノシシたちに生きたままのレクターを食べさせ、死ぬまで苦しめ続けるつもりなのだ。しかも、すぐには死なないよう休息時間を用意し、その間は点滴を投与するという念の入りようである。

しかし、レクターに向けてイノシシを放とうとするその時、彼らの居場所を突き止めたクラリス・スターリング捜査官が現場に突入したのだ。彼女はレクターと関係の深いFBI捜査官で、国際指名手配犯として彼を逮捕するのが目的だった。ところが、武装していたカルロ一味と銃撃戦になり、スターリングは負傷して気を失ってしまう。

一方のカルロ一味も、スターリングの銃撃によって死亡するか戦闘不能に陥り、結果としてレクターは拘束を逃れる。飢えたイノシシの群れは、スターリングを抱きかかえて立つレクターを素通りし、血を流して悶絶するカルロ達に襲いかかった。血の匂い、そして叫び声に反応するよう育てられていたため、静かに立つレクターには目もくれなかったのだ。

慌てたのはヴァージャーである。コーデルを伴い、車椅子で見物席(階上にある)に到着したがすでに時遅く、レクターを葬るはずの処刑場は意図するものとは違う形で修羅場と化していた。
ヴァージャーは声を張り上げ「カルロたちが落とした銃を拾って、レクターを撃て!」と、コーデルに命じた。しかし、彼は一介の医者に過ぎない。
「私にあの中に入れと言うのですか?」そう言って激しく躊躇(ちゅうちょ)するコーデルに、レクターは悪魔のようなアドバイスをする。
「コーデル、その男を突き落としてやれ。私がやったと言えばいい」レクターの言葉を受け、コーデルは少しだけためらいを見せた。しかし次の瞬間、意を決したように車椅子を押し始めたのだ。
「何をする、やめろコーデル」ヴァージャーはそう言って、必死に逃れようと試みたが半身不随の彼には為す術もなかった。そのまま2メートル下の地上に落下したヴァージャーは、レクターに与えたかった苦痛をそのまま、自身で味わうことになってしまった。つまり、復讐のために育てた大型イノシシによって食い殺されたのだ。

もしかするとコーデルは、常日頃からこうすることを望んでいた可能性がある。それほど、ヴァージャーのコーデルに対する態度は醜悪であった。この後、コーデルはこの成り行きを捜査機関に説明するのだろう。当然ながらレクターの犯行として、全て丸く収まるはずである。その際、怯えた表情が消えたコーデルは、深い安堵のため息を漏らすのだろうか。

MATEO KNIFED - LECTER LEAVES (2:12) 02

映画『ハンニバル』でパッツィを演じたジャンカルロ・ジャンニーニの役作りの足元にも及ばないなあ。あの人のは狂的愛の悲劇だったと、過去の大スターを惜しむ視聴者。ジャンニーニは揺れる眼差しで、愛に病む男を演じたら随一でしたねえ。映画『イノセント』で妻の不倫に嫉妬して、不義の嬰児殺しに及ぶ貴族役なんて、ゾクゾクしましたよ。そんなジャンニーニのパッツィは、アンソニー・ホプキンスのハンニバルよりも圧倒的に魅力がありました。

映画「ハンニバル/Hannibal」【レクター博士×クラリスの再会をHuluで】 ..

殺人を犯させたり、ハンニバルを恨むよう誘導したり、ウィルの行動はハンニバルの摸倣犯のようです。でも、ウィルの手口は底が見え見え。
ハンニバルもご都合主義ではあるけれど、もっとエレガントに誘惑的にマインドコントロールしてきます。真綿で首を絞めるみたいにね。