D08733, デキサメタゾン 0.1%・グリテール 0.2%, グリメサゾン


18.1作用機序
18.1.1グリテール
(1)グリテールによるArylhydrocarbonreceptorの活性化によりフィラグリン蛋白の増強及び発現を増加させ、Tヘルパー2サイトカインによるフィラグリン蛋白の発現抑制を回復させる。
(2)グリテールは、アトピー性皮膚炎に関与するTヘルパー2サイトカイン産生の阻害作用がある。
(3)グリテールは、アトピー性皮膚炎発症に重要な役割が考えられているインターロイキン33への阻害作用がある。
18.1.2デキサメタゾン
デキサメタゾンは合成副腎皮質ホルモンで、天然の糖質コルチコイドと同じ機序により抗炎症作用を発現する。糖質コルチコイドは受容体に結合して特定の遺伝子の転写を開始あるいは阻害する。その結果、起炎物質の生合成抑制と炎症細胞の遊走抑制により抗炎症作用を現すと考えられる。
18.2薬理作用
18.2.1血管透過性亢進抑制作用
グリテールはHartley系白色雄性モルモットにおいて、ヒスタミン、ブラジキニン誘発血管透過性亢進に対し濃度依存性抑制作用を示した。
18.2.2足浮腫抑制作用
グリテールはWistar系雄性ラットにおいて、カラゲニン足浮腫に対し抑制作用を示した。
18.2.3紫外線紅斑及びアラキドン酸皮膚発赤抑制作用
グリテールはHartley系白色雄性モルモットにおいて、紫外線紅斑及びアラキドン酸皮膚発赤に対し抑制作用を示した。
18.2.4蛋白滲出及び白血球遊走抑制作用
グリテールはWistar系雄性ラットを用いたCMC‐pouch法において、蛋白滲出及び白血球遊走に対し抑制作用を示した。
18.2.5I型及びIV型アレルギー反応抑制作用
グリテールはWistar系雄性ラットにおいて、I型アレルギーの48時間homologousPCA反応に対し抑制作用を示した。また、Jcl:ICR系雄性マウスにおいて、オキサゾロン誘発IV型アレルギー性皮膚炎に対し抑制作用を示した。
18.2.6抗乾癬作用
グリテールはddY系雄性マウスにおいて、乾癬モデルとして有効なTPA誘発皮膚反応である浮腫及び表皮増殖に対し抑制作用を示した。
18.2.7抗炎症作用
雄の白色モルモットにNicoleHunzikerの方法にならい1%DNCBアセトン溶液を連日塗布し、後約2週間放置して感作を待ち、皮膚炎惹起3日前から、抜毛した5カ所にグリメサゾン軟膏とその主成分である0.1%デキサメタゾン軟膏、0.2%グリテール軟膏、基剤プラスチベースを塗布した。対照に無処置のコントロール部を設けた。0.1%DNCBアセトン溶液を滴下して皮膚炎を惹起し、惹起後6、12、24、48時間毎の皮膚を生検して、各軟膏の抗炎症作用を経時的、組織学的に①リンパ球表皮内遊出②表皮細胞間浮腫③表皮肥厚④真皮内小円形細胞浸潤を観察、効果を比較した。48時間後の組織所見を次表に示した。
--------------------------表開始--------------------------
(炎症の程度は、著明なもの+++、中等度のもの++、軽度のもの+、正常あるいは僅少なものを±と判定した。)
\表皮内遊出細胞間浮腫表皮肥厚血管周囲炎症その他
グリメサゾン軟膏+~±++~±+一部痂皮
0.2%グリテール軟膏+++++-
0.1%デキサメタゾン軟膏++++++-
プラスチベース++++++++-
コントロール++++++++++一部水疱
--------------------------表終了--------------------------
すなわち、グリメサゾン軟膏処置の部分は、治癒の段階を思わせる所見が観察された。


グリメサゾン軟膏. 皮膚科疾患用薬. >外用副腎皮質ステロイド薬(マイルド). 1g:36.1円/g

(禁忌)
2.1.細菌皮膚感染症・真菌皮膚感染症・スピロヘータ皮膚感染症・ウイルス皮膚感染症の患者[感染症を悪化させることがある]。
2.2.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
2.3.鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎の患者[鼓膜の再生を遅らせ、内耳に重篤な感染性疾患を起こすおそれがある]。
2.4.潰瘍<ベーチェット病は除く>、第2度深在性以上の熱傷・第2度深在性以上の凍傷の患者[肉芽組織を抑制し、創傷治癒を妨げることがある]。
(重要な基本的注意)
8.1.大量又は長期にわたる広範囲の使用[特に密封法(ODT)]により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状があらわれることがあるので、特別な場合を除き長期大量使用や密封法(ODT)を極力避けること〔9.5妊婦、9.7小児等、9.8高齢者の項参照〕。
8.2.本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、大量又は長期にわたる広範囲の使用は避けること〔8.1参照〕。
(小児等)
乳児、小児への長期・大量使用又は密封法(ODT)により、発育障害を来すおそれがある。また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること〔8.1参照〕。
(高齢者)
大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること(一般に生理機能が低下している)〔8.1参照〕。
(適用上の注意)
14.1.薬剤交付時の注意
患者に化粧下、ひげそり後などに使用することのないよう指導すること。
(保管上の注意)
室温保存。

ステロイドホルモンはアレルギーの免疫反応を抑える抗炎症作用により、皮膚炎の赤みやかゆみを抑えます。一方で、ステロイドホルモンには抗炎症作用以外に、血糖値をあげたり、胃粘膜を過敏にしたり、骨粗鬆症を引き起こす作用があり、そのために非常に怖い薬という印象があります。ステロイド内服薬は消化管で吸収され全身に波及するため、こういった全身性の副作用を引き起こすことがありますが、外用薬は皮膚から吸収されるため、血液中に入る量は微量で先ほど触れたような全身性の副作用が起きることは、まずありません。
一般に、ステロイド外用薬の副作用は皮膚にあらわれます。はステロイド外用薬とタクロリムス軟膏の効果と副作用をまとめたものですが、ステロイド外用薬の局所性副作用として、以下のようなものがあげられます。

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