デキサメタゾンは合成副腎皮質ホルモンとして強力な抗炎症作用を有し、副作用の少ないコルチコ
本稿では、本邦での承認薬に加え、開発中又は開発予定のある医薬品につき、COVID-19に関する国内の診療の手引きやNIHの治療ガイドライン等[1]で主要な根拠論文として取り上げられているランダム化比較試験(RCT)の成績等を中心に、現時点での薬剤開発の状況について概説する(表及び【図1】を参照)。
デキサメタゾンは、合成副腎皮質ホルモンとして 1958 年に開発された化合物
本邦も参加した米国国立衛生研究所アレルギー・感染症研究所(NIAID)が主体となり実施された、中等症~重症相当の成人COVID-19患者1062例を対象とした国際共同プラセボ対照二重盲検RCT(ACTT-1試験)において、回復期間の中央値[95%信頼区間]は、プラセボ群15日[13, 18]に対し本剤群10日[9, 11]であり、本剤群とプラセボ群との対比較において統計学的に有意な差が認められた(ハザード比:1.29[1.12, 1.49]、p<0.001)。また、企業治験として実施された中等症COVID-19患者596例を対象とした非盲検RCT(GS-US-540-5774試験)では、主要評価項目である7点順序尺度で評価した無作為化後10日目の臨床状態について、本剤5日投与群は標準療法群と比較して有意に臨床的改善をもたらすことが示されたものの(オッズ比:1.65[1.09, 2.48]、p=0.02)、本剤10日投与群と標準療法群との間に有意差は認めなかった(オッズ比:1.31[0.88, 1.95]、p=0.18)。
2019年末に中国で確認後、急速に全世界に拡散した新型コロナウイルス(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2:SARS-CoV-2)は、今日に到るまで1億7000万人が感染し350万人が死に到る歴史に残るパンデミックとなっている。このSARS-CoV-2による新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)の治療法開発には多くの研究者と企業が総力をあげてこの一年取り組んできた。抗ウイルス活性が示唆される既存薬のrepositioningの試行に加え、重症例での病態への関与が示唆される過剰免疫の抑制についても各種抗炎症薬の効果を検証する臨床試験が実施されている。しかし、2021年4月時点、本邦でCOVID-19治療薬として承認されているものは、抗ウイルス薬のレムデシビルと、抗炎症薬であるデキサメタゾン、バリシチニブの3剤のみである。
デキサメタゾンは、合成副腎皮質ホルモンとして 1958 年に開発された抗炎症作用を
一方、レムデシビルの有効性については否定的な報告も存在する。重症COVID-19患者を対象に中国で実施された多施設共同プラセボ対照二重盲検RCTでは、目標被験者数452例の組み入れを達成できず237例の組み入れで試験を終了した為統計学的な解釈は困難であるものの、臨床状態改善までの時間に両群の差は認められなかった(本剤群21日、プラセボ群23日、ハザード比:1.23[0.87, 1.75])。世界30カ国から入院中COVID-19患者を登録し、レムデシビルを含む複数の薬剤の有効性を評価するWHO主導の非盲検RCT(Solidarity試験)の中間解析の結果も、死亡率、挿管率、入院期間等の有効性評価指標について、各治療群(レムデシビル、ヒドロキシクロロキン、ロピナビル及びインターフェロン1α)と各々の対照群との間に大きな差異を認めなかった。このように、レムデシビルの有効性に関して試験間でのばらつきはあるが、これまでの試験成績や作用機序からは、重症化前の酸素需要のある発症早期例でより高い効果が得られることが想定される。
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[PDF] デキサメタゾン製剤の制吐薬としての開発に関する要望については
薬物療法を検討するに際しては、本稿で紹介した「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」だけでなく、日本感染症学会が取りまとめる等も参考にしながら、慎重に進めるようにしましょう。
副腎皮質ステロイド薬は抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用など、広範囲にわたる作用がある。肺感染症に対するステロイド薬の全身投与については、広範な肺組織の炎症・傷害に対しステロイドが保護的に働く可能性を示唆する知見がある一方で、SARSやMERS等ではウイルスのクリアランスを遅延させたとの報告もあり[3][4]、免疫抑制作用に伴う二次感染のリスク増大や長期合併症の問題等含め、一定の見解が得られていない。
デキサメタゾン製剤の制吐薬としての開発に関する要望については、
この記事では、デキサメタゾンの効果や副作用、薬価などについて解説していきました。現在では、2020年5月にレムデシビル(商品名:ベクルリー®点滴静注液)が特例承認され、ファビピラビル(商品名:アビガン®錠)などの適応外使用も認められるなど、新型コロナウイルス感染症に対して用いることのできる薬剤の選択肢は増えつつあります。
デキサメタゾンは合成副腎皮質ステロイド剤の一つであり、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用など、広範囲にわたる作用があり、国内では重症感染症等多岐にわたる適応症を有する既承認薬である。他のステロイドと比較し抗炎症作用が強く半減期が長い特徴があり、ミネラルコルチコイド作用は低い。
そのため、デキサメタゾン及びベタメタゾンの試験法について開発が進められてきたと
また、デキサメタゾンの服用により、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化性潰瘍、糖尿病、精神障害などの重篤な副作用があらわれる例が報告されています。これらの副作用があらわれた場合における対応について、適切な指導を行うことも求められています。
5) 新型コロナウイルスワクチンの被接種者は薬剤開発のための臨床試験で除外されている ..
途中で症状が改善しても中止せず、最後まで服用するように指導します。手引きではデキサメタゾンとして6mgの服用が推奨されており、デカドロン®錠4mgを用いる場合では1回あたり1.5錠の服用が必要となるため、1回量を確認することもポイントです。
合成副腎皮質ホルモンとして 1958 年に開発された化合物で、強力な抗炎症作用を持つ。 2
COVID-19に対する有効性について、オックスフォード大学主導で英国にて実施中の大規模な非盲検ランダム化アダプティブプラットフォーム試験RECOVERY試験にて、標準治療群(4321例)とデキサメタゾンを一日6 mg(経口又は静脈内投与)、最大10日間投与する群(2104例)とで28日までの死亡率を比較した結果が公表された。全体集団においても、標準治療群25.7%と比較し本剤群22.9%と、本剤投与にて死亡率は有意に低下したが(年齢調整率リスク比 (RR): 0.83[0.75, 0.93]、p
[PDF] 新型コロナウイルス感染症に関する 国内外の研究開発動向について
デキサメタゾンによる確実な治療効果を得るためには、初回服用後から10日間にわたり継続して服用することが必要です。そのため、コンプライアンスを意識した服薬指導が重要です。
ショウガ+)微糖タイプ」、加工者:澪森)に、医薬品のステロイド成分であるデキサメタゾン ..
2020年11月時点のデキサメタゾンの薬価は、デカドロン®錠4mgが31.9円/錠、デカドロン®注射液6.6mg2mLが299円/瓶です。内服薬の後発医薬品はありませんが、注射液では後発医薬品として富士製薬のデキサート注射液6.6mg2mLが156円/瓶として薬価収載されています。
するもので、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)新興・再興感染症に ..
炎症性サイトカインによる免疫活性化細胞内シグナル伝達において重要な役割を果たすJAK等のチロシンキナーゼを選択的に阻害する薬剤は、COVID-19重症例における抗炎症効果が期待される薬として着目され、各種試験が実施されている。本邦で承認されているJAK阻害薬は、関節リウマチ(RA)等の適応を有するトファシチニブ、バリシチニブ、ペフィシチニブ、ウパダシチニブ、フィルゴチニブの他、骨髄繊維症及び真性多血症に効能を有するJAK2選択的阻害薬ルキソリチニブの6剤だが、バリシチニブはJAKの4つのサブタイプ(JAK1~3及びTYK2)のうち、主にJAK1/2を選択的に阻害する経口薬であり、本邦ではRA及びアトピー性皮膚炎で適応を取得している。
開発責任者の Jeffrey Jackson は、次のように述べ
デキサメタゾンの主な副作用としては、感染症の増悪、続発性副腎皮質機能不全、糖尿病、消化性潰瘍、消化管穿孔、膵炎、精神変調、緑内障、血栓塞栓症などが報告されています。服用中止後に、発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、ショック等の離脱症状があらわれる場合もあるので、注意が必要です。
ています。「エムプリシティとレナリドミドおよびデキサメタゾンの併用療法は、再発または難治
抗炎症効果に加え、in vitroにてSARS-CoV-2のエンドサイトーシス経路の阻害作用も推測されたことから[5]、企業主導の国際共同二重盲検プラセボ対照RCT(COV-BARRIER試験)の他、入院COVID-19肺炎患者1033例を対象に、RDV併用下での本剤の有効性及び安全性を評価する国際共同プラセボ対照二重盲検RCT (ACTT-2試験)がNIAID主導で実施され、本邦も参加した。回復までの期間の中央値は、本剤群で7[6,8]日、プラセボ群で8[7,9]日であり、プラセボ群に対する本剤群の優越性が検証されたが(ハザード比:1.15[1.00, 1.31]、p=0.047)、この効果は、ベースライン時に酸素投与が必要であった患者にてより顕著であった。
[PDF] COVID-19肺炎に対する 量デキサメタゾンの治療効果
※本剤の新型コロナウイルス感染症に対する使用経験は少ないため、今後の有効性や有害事象等の知見の集積にともない、新たな情報が得られる可能性があります。「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」などの最新の情報を確認のうえ、適切な取り扱いを行うようにしてください。
新型ウイルスの新治療法、重症患者の3人に1人に効果=英研究チーム
デキサメタゾンとして6mgを1日1回、10日間にわたり服用します。体重40kg未満の患者さまでは0.15mg/kg/日へ減量を考慮し、肥満・過体重例では用量につき個別に検討することが推奨されています。また、患者さまの状態によっては経口・経管以外に、静注が選択される場合もあります。
新型コロナウイルス感染症治療薬の開発は、その緊急的な状況からも ..
SARS-CoV-2の生活環の中で必須の酵素、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRP)とメインプロテアーゼを標的とした新規化合物の開発が進んでいる。現在国内で臨床試験に進んでいるものもしくは今後開発の可能性のある製剤が3種類あり、その成否に注目が集まっている。
デキサメタゾン内服8mg、または、デキサメタゾン静注6.6mgの治療の有効性を ..
デキサメタゾンは副腎皮質ホルモン製剤であるため、効果・効能は多岐にわたります。具体例としては、慢性副腎皮質機能不全、関節リウマチ、エリテマトーデス、うっ血性心不全、気管支喘息、悪性リンパ腫、重症感染症などがあげられます。詳細については、添付文書を確認するようにしてください。
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MK-4482/EIDD-2081はRdRpを標的としたシチジンアナログ製剤EIDD-1931 (b-D-N4-hydroxycytidine)のプロドラッグであり、経口摂取が可能な薬剤である[6]。2000年代初頭にC型肝炎の治療薬として開発が進められて化合物であり、インフルエンザAやRSに対しても阻害活性を示す。EIDD-1931はchain terminatorとして作用するのではなく、シチジンの代わりに転写RNA鎖に取り込まれるとこで嬢RNA鎖に変異を誘導してウイルスを不活化する[7]。その作用機序から宿主のゲノムに対しても催奇形性が危惧されたが、動物実験ではその危険は示されなかった。
飯原 大稔 · デキサメタゾン含有フィルム製剤の開発と抗がん剤投与時の制吐における有用性の研究.
新型コロナウイルス感染症の重症患者では、肺障害および多臓器不全をもたらす全身性炎症反応を発現することが確認されています。ステロイドは抗炎症作用を有するため、デキサメタゾンにはこれらの有害な炎症反応を予防または抑制する可能性が示唆されており、前述の試験によって効果が裏付けられました。