歯周炎の急性症状に対しては、抗菌薬を投与するが、最近のガイドラインではアモキシシリンが第1選択となっている。 ..


フィリピンの土壌から1952年に発見され、ペニシリン、セフェム系とは異なった化学構造で、抗炎症作用、免疫調節作用など抗菌力以外の作用もあるため、慢性閉塞性肺疾患などにも使用されています。歯科ではクラリスロマイシン(商品名:クラリス他)アジスロマイシン(商品名:ジスロマック他)が処方されることが多いです。マクロライド系は、安全性は高いですが、クラリスロマイシンは肝臓のチトクロームで代謝されるため、同じ部位で代謝される薬剤は併用注意となるために、併用注意薬があります。薬局などでご確認ください。重篤なものは併用禁忌となっています。


[PDF] 歯科治療時の抗菌薬投与:感染性心内膜炎(IE)の予防

治療でなく予防で使うことが多いというのは、歯科特有だと思います。歯科全体の抗菌薬使用量は医科に比べれば少なく(図1)、また予防目的なので投与期間も通常は3日前後です。ただ本当に予防が必要な人以外にも、慣習的に処方している部分があるのではないかと考えられます。予防が主なので、起炎菌を調べたりアンチバイオグラムを作成したりといったことはほとんどされません。「予防で使う」は歯科の特徴であり問題でもある、といえるでしょう。

もともと歯科領域では、歯性感染症の主要起炎菌に有効な第1・第2世代セフェム系が主に処方されていました。それが第3世代セフェム系の発売にともなって、シフトしていったのではないかと考えられます。ペニシリン系も以前は使われていたのですが、「カプセルが服用しづらい」「錠剤が大きい」といった使い勝手の悪さやペニシリンアレルギーの問題、また「昔の薬」というイメージもあって、あまり使われなくなってしまいました。第3世代セフェム系は小ぶりで飲みやすく、副作用も少ないので、使いやすいということもあると思います。

※本記事はスウェーデンの先進歯科医療に関する研究論文等を翻訳してご紹介しています。 歯性感染症と抗生物質

歯性感染症に関するガイドラインは、「JAID/JSC 感染症治療ガイド 2014」(2014 年改訂) に初めて掲載されましが、実際にはガイドラインよりも、「指導医や先輩医師に教わって、それを忠実に守っている」というパターンが多かったようです。予防が主なので、どの抗菌薬を使うかあまりこだわりはなく、慣習的・経験的に処方している部分が大きいのではないかと考えられます。

歯科の場合、抜歯や歯科の外科的処置後の感染予防を目的に、経口抗菌薬を外来で使うことが多いです。主な起炎菌は口腔連鎖球菌や嫌気性菌ですが、これらは常在菌で、普通の抜歯程度で感染症を起こすことはありません。ただ、口の中に傷をつける訳ですし、口腔内には腸内細菌も含め多くの常在菌が存在します。「何かあったら困る」というので、「広めのスペクトラムで使いやすい経口抗菌薬を、予防で入れよう」という傾向があります。

・歯科用インプラント・抜歯(感染性心内膜炎の高リスク症例)→単回(手術1時間前に服用)

ここからは、東京医科歯科大学病院の歯科外来におけるASP(抗菌薬適正使用プログラム)の取り組みについて伺います。病院としてはかなり大きいご施設ですね。

2001年6月に日本で発売を開始し900万件以上処方されています。歯科口腔外科領域で約100万件以上処方されています。アナフィラキシ様症状は全体で25件 歯科領域では2件です。かなり少ない数字と思います。

ペニシリン系抗生物質は、歯科で最も一般的に使用される抗生物質の一つです。 アモキシシリン

東京医科歯科大学病院薬剤部薬剤主任
1986年星薬科大学衛生薬学科卒業、1987年東京大学医学部附属病院薬剤部、2003年保険薬局管理薬剤師、2004年東京医科歯科大学病院(旧歯学部附属病院)薬剤部に入局し、2012年より現職。

はい、歯科だけで29の診療科を有し、1つの病院ぐらいの規模があります。経口抗菌薬の採用品目も多く、以前は様々な種類の抗菌薬が次々と処方されてきて、「きちんと使い分けされているのかな」と感じていました。


歯科処置前の”アモキシシリン250mg×8CP”は何のため?【IE予防】

このコーナーでは、薬剤耐性(AMR)対策のさまざまな事例をご紹介しています。第23回で取り上げるのは、東京医科歯科大学病院歯科外来における、薬剤師主導のASP(抗菌薬適正使用支援プログラム)活動についてです。同院薬剤部の沖畠里恵氏は、歯科外来で処方される経口抗菌薬の適正使用に向け、歯科医師に対するフィードバックを行ってきました。活動を始めた経緯や具体的な取り組み、またその成果について、お話を伺いました。

木曜日に(10月23日)歯根にヒビのある前歯を抜きました。 ..

一日一回2錠を3日間飲んで1週間薬が効いています。マクロライドの薬ですので代謝酵素のチトクロームP-4503A4(CPY3A4)の阻害作用があるはずですが、15員環のジスロマックの場合14員環クラリスなどに比べてその作用はかなり弱くp450による代謝は確認されていません。白血球などに取り込まれて炎症箇所の長くとどまるので、1週間効果があります。

歯科では抜歯やインプラントなどの外科処置後や歯周病などで腫れているときなどに抗生剤を処方されることがしばしばあります。

抗菌薬はかなり週類がありどれを使うか迷うところです。歯性感染症の第一選択はセフェム系、歯周組織炎での第一選択は移行率を考慮してマクロライド系、骨髄炎など薬剤の移行が十分で無い時はニューキノロン系が良いとされています。

・アモキシシリンカプセル 125 ㎎、同 250mg、クラリスロマイシン 200mg ..

歯科医師の外来処方に対して、直接フィードバックを行いました。どういう介入方法がよいのかについては、いろいろ考えました。例えば「医局会で講義する」「マニュアルを整備する」「薬剤部ニュース的なものを定期的に発行する」「感染対策委員会から周知してもらう」などです。ただ、どの方法もインパクトや実効性は薄い気がしました。それならば疑義照会のように医師に直接電話をして、個人的に話した方が早いのではないか、耳を傾けてもらえるのではないかと考えました。私は幸いにも当院に長く在籍し、面識のある先生も多かったですし、直接話した方が状況を把握していただけると思いました。

Porphyromonas 属はβ-ラクタマーゼ産生菌の報告例は少なく,アンピシ

成分
1カプセル中、アモキシシリン水和物250mg(力価)

歯科適応症
歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

リンやアモキシシリン等のβラクタム薬に感受性を示す菌が多い. ..

抗菌剤はいろいろあり選択に迷うところです。いろいろな薬品をはば広く使うより、数種類の薬剤の知識を深くしてパターン化したほうが臨床的に有効と思います。ここではジスロマック、フロモックス、クラビットを主として考察してみました。サワシリン(アモキシシリン)は術前投与としか使用しません。セフゾンもフロモックスが使えないときに使用します。

オーラルスタジオは医療従事者及び歯・医学部系学生の方へご提供することを目的とした歯科専門家向けポータルサイトです。

ミノマイシン塩酸塩(商品名:ミノマイシン他)が経口薬として使用されている。歯科では歯周病治療薬として歯科用軟膏が多く使われています。

[PDF] 歯科 ICT による外来抜歯の予防的抗菌薬適正使用支援活動

近年注目されてきたのですが、ジスロマックにはバイオフィルム破壊能があるようです。このことと炎症部位に長く留まり濃度が高くなる性質を利用して、ジスロマックを投薬して、薬が効いているうちに歯石除去を全額行ってしまう方法とか、投薬で歯周病を治そうという試みがあります。

Sさんは、虫歯の治療で歯科医院に通院しています。ある日、Sさんの通院先の歯科 ..

文献)
1. 日本循環器学会/日本胸部外科学会/日本小児循環器学会/日本心臓病学会. 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008 年改訂版)
2. Nishimura RA et al., J Am Coll Cardial. 70(2):252-289, 2017.
3. Habib G et al., Eur Heart J. 36(44): 3075-3128, 2015.

歯科処置後に発生する一過性の菌血症(血液中に細菌が侵入すること)は ..

当院は2014年から院外処方に移行し、現在はほぼ9割が院外です。院内で出すのは「抜歯前に予防抗菌薬を投与したい」、「抜歯後すぐに鎮痛薬と抗菌薬をセットで使いたい」などのケースに限られます。院外処方箋については発行された時点で直接話をすることができません。そこで、院外処方箋に対しては、電子カルテのメモ欄を利用して、文書によるフィードバックを行いました。

歯科におけるくすりの使い方:ChapterダイジェストPart1

マクロライドでその他の候補はクラリスがあります。ジスロマックは15員環でクラリスは14員環です、得意な分野が少し違うようです。クラリスは耳鼻科でよくだされる薬です。慢性上顎洞炎に少量長期間(200mg一日一回3-4ヶ月)処方されているのを良くみかけます。インプラントによる上顎洞炎にも良く処方されています、上顎洞の粘膜に良く効くようです。上顎洞粘膜を処置したとき(インプラントで上顎洞に骨を作ったとき(サイナスリフト サイナス=上顎洞 リフト=挙上)などに私は使用していますが、普通に歯科で使用するにはジスロマックの方が優れていると思います。
薬の相互作用がクラリスに比べて少ないこと(下記の表 参照)

パートタイムで勤務日ではないスタッフも来て、助手、衛生士、歯科医師の当院のスタッフのほとんどが参加をしました。 ..

<海外のガイドライン>
アメリカ心臓協会(AHA:American Heart Association)[文献 2]、欧州心臓病学会(ECS:European Society of Cardiology)[文献3]のガイドラインでは、歯科処置時の抗菌薬予防投与の対象症例を人工弁置換術後、感染性心内膜炎の既往例、先天性心疾患(未修復のチアノーゼ性先天性心疾患、術後 6 カ月以内)などに限定している。

高リスク心疾患患者に対する歯科処置に際して抗菌薬投与は IE 予防のために必要か? ..

はい。ちなみに歯科のカルテは独特で、基本的には処置名が列記してあるだけのことが多いです。専門的すぎて、どういう治療をしたのか、最初はまったくわかりませんでした。患者さんがどういう人なのかもわからないので、診療情報提供書やお薬手帳なども見て情報を補足していました。

アモキシシリンを投与し、0.12%のグルコン酸クロルヘキシジンで1分間すすぐように指示した

口腔用ステロイド製剤(商品名:アフタッチ、アフターシール他)が処方されます。
口腔粘膜に貼り付ける錠剤やシールを歯科用貼付剤と呼びます。口内炎などによる潰瘍面を保護します。歯科用貼付剤を貼り付ける粘膜部位はしっかりと清掃してから貼付することが大切です。