3) 日本マイコプラズマ学会:肺炎マイコプラズマ肺炎に対する治療指針, 2014.


には,小児のマイコプラズマ肺炎例で遷延化して入院を余儀なくされ,MINO が投与された10症例の菌の消長を示します。検査材料には上咽頭ぬぐい液を使用し,real-time PCR 法と培養により確かめています(未発表データ)。


[PDF] 「マイコプラズマ肺炎」来襲でも落ち着いて。小児科専門家の助言1

入院後に MINO の静注(2日間)に変更され,24時間後には解熱しています。その後は MINO の経口投与(2日間)に切り替え,5日後に退院となっています。

マイコプラズマ感染症と診断され MLs が投与されたにも関わらず,臨床症状が改善しないことと胸部レ線像の増悪がみられたことから,耐性菌を疑い入院加療となっています。入院時に実施された上咽頭ぬぐい液の real-time PCR 検索でマイコプラズマ陽性と判定され,後日培養によって菌が分離され,耐性菌であることが判明しています。

[PDF] マイコプラズマ肺炎流行に対する日本小児科学会からの注意喚起

本邦では成人のマイコプラズマ肺炎における耐性菌の出現状況は調べられていませんのでそのことには触れませんが,耐性菌による感染症例が既に報告されています 。最近 TFLX と同系列にあるレボフロキサシン (LVFX) が成人のマイコプラズマ疾患に対しての適応拡大を取得しています。しかし,LVFX の小児に対する安全性は確認されておりません。その他にガレノキサシン (GRNX) も成人マイコプラズマの適応があります。

現在,MLs 以外の抗菌薬で小児のマイコプラズマ感染症への適応が認められているのはミノサイクリン (MINO) のみです。ニューキノロン系薬のトスフロキサシン (TFLX) が最近小児の肺炎に対する適応を認められていますが,対象菌種にマイコプラズマは入っておりません。

5)尾内一信:小児呼吸器感染症ガイドライン 2011 の改訂の

3) 日本マイコプラズマ学会:肺炎マイコプラズマ肺炎に対する治療指針, 2014.

一手目にて72時間経過を観察し,改善がみられない場合,二手目への変更を考慮する。奏効薬剤については総投与期間を7~10日間として,治療終了とする。

[PDF] ステロイド投与が奏効したマイコプラズマ肺炎の検討*

その感度を小児 CAP の主たる原因細菌である肺炎球菌とマイコプラズマおよびインフルエンザ菌について に示しました。3菌種とも PCR と培養との間には,感度100%,特異度は95.4%以上であることが示され,マイコプラズマの抗体価と PCR との間においても感度と特異度はそれぞれ90.2%と97.9%と優れていることが示されています

マイコプラズマ肺炎重症化の病態としては過剰な免疫応答が起きているという宿主側の要因が重要と考えられ,ステロイドが有効であるが,安易な投与は慎むべきである。


クラリスロマイシン錠50mg小児用「大正」に関する限定出荷について

一般的な感染症であれば、服用開始から2~5日程度で症状が改善してきます。
ただし、症状が良くなったからといってすぐに服用を中止してはいけません。症状をしっかり改善し、かつ耐性菌の発現を防ぐためには一定期間服用を続けなければいけません。
したがって、重篤な副作用などがない限り、処方されたクラリスロマイシンは飲み切るようにしてください。

近年、抗生物質の効かない耐性マイコプラズマが流行っているそうです。

この菌自体は自然治癒することが多いといわれていますが、咳が非常に長く続き(1ヶ月以上のことも)、また重症の肺炎や様々な合併症を起こすことも多いのです。よってこの菌を考えた適切な抗生剤投与が必要です。抗生剤はマクロライドやテトラサイクリンと呼ばれている系列のものを使います。ただこれらの薬には問題があります。まずマクロライドですが、基本的にとても苦い薬です。当院ではクラリス、ミオカマイシンの2剤がありますが、特にクラリスは苦いです。しかし効果はクラリスの方がよいですので、薬を飲めそうな子はクラリスを第一選択にしています。5歳以上の子供は小さい錠剤がありますのでこちらにしてみるとよいでしょう。クラリスの粉は苦い味を苺味でコーティングしていますので、これを溶かさないように工夫が必要です。ジュース、スポーツドリンク、ヨーグルトなどで飲ますのは避け、水、牛乳、バニラアイスで飲ませるとよいでしょう。またムコダインという痰をきる薬と混ぜると苦くなります。それでもダメな場合はミオカマイシンを使います。もう一つのテトラサイクリンは当院ではミノマイシンを使っていますが、乳幼児の歯や骨の発育を阻害する副作用があるため6歳以下には重症例を除き使いません(8歳以上から)。そして最も大事なことは最低10日間は内服する必要があります。通常3日?1週間で発熱や咳嗽は改善しますが、このマクロライドやテトラサイクリンは菌を殺すより、押さえ込んでそのうち死ぬという薬なので、中途でやめるとまた菌が復活し、ぶり返すことになります。

ロライド耐性マイコプラズマが増えており、マクロライド系抗菌薬で 2 ..

3つめは,保険適用となっているキットのイムノカード「マイコプラズマ抗体キット」です。IgM を検出する本キットは迅速性に優れていますが,特異抗体の上昇には数日かかることや,乳幼児や成人でもまれに特異抗体が上昇しない例があることです。また,偽陽性がみられる場合もあります。

10-15mg/kg/ 日(最大 400mg/ 日) 10 日間

マイコプラズマは検査で確定することが難しく、実際はもっと多くの患者がいることと思われます。また症状が咳だけで、熱がないのに肺炎のこともあり要注意です。

▷一手目:クラリス®50mg錠(クラリスロマイシン)1回7.5mg/kgに相当する錠数1日 ..

2022)。2023年の流行においても、北京、河南省の病院を受診した小児のマイコプラズマ肺炎において、マクロライド耐性がそれぞれ100%、91%であったと報告されている (Chen Y.

小児におけるマクロライド系薬耐性Mycoplasma pneumoniaeの大流行

2021)。
国内でマクロライド耐性率が低下した要因として、マクロライド耐性菌の出現を考慮した診療ガイドラインの普及、2016年からの薬剤耐性(AMR)アクションプランにより医療機関における抗菌薬の適正使用が進んだこと、マクロライド耐性率の上昇により小児に対しても使用可能なニューキノロン系抗菌薬の使用が増加したこと、耐性化の進んでいない2型系統株の割合が上昇したことなどが考えられている(国立感染症研究所.

マイコプラズマ感染症の症例から MLs 耐性マイコプラズマを分離し,世界 ..

また,この方法では陽性反応を示すサイクル数から検体中に含まれる菌数も推定できることも示されています。つまり,マイコプラズマに関しては,私どもが公表しているプライマーとプローブを使用し,規定のサイクル数までの間に陽性反応がみられれば,マイコプラズマ感染症と診断してもほぼ差し支えないことになります。

[PDF] マイコプラズマ肺炎増加に関する学会からの提言について(周知)

同じ成分の薬です。どちらも先発品です。製造会社が異なりますがどちらもクラリスロマイシンであることには変わりありません。薬価には多少の違いがありますが、先発品とジェネリック薬ほどの大きな差はありません。

本マイコプラズマ学会:「マイコプラズマ感染症(マイコプラズマ肺炎)急増 ..

2024)。一方で、EU/EEA域内の多くの国ではマイコプラズマ肺炎の届け出義務がないことから、情報は限られているとしている(ECDC, 2023)。
米国では全国規模のサーベイランス体制は取られていないものの、COVID-19流行以前は3~7年ごとに流行がみられていた。COVID-19の流行以降、米国内での発生は減少したものの、2024年には小児でのマイコプラズマ肺炎が増加していると報告されている(CDC, 2024)。
また、中国においては、2023年5月以降、小児における肺炎が増加しており、この原因としてマイコプラズマ肺炎が多くを占めていることが報じられた(参考:)。11月に行われた国家衛生健康委員会の記者会見では、呼吸器感染症が全国的に増加しており、その中でも特にマイコプラズマ肺炎が小児において重要な疾患であるものの、小児の呼吸器感染症の原因としてはインフルエンザをはじめとしたウイルス感染症が最も一般的であるとしている(国家衛生健康委員会, 2023)。

マイコプラズマ肺炎に対する第1選択はマクロライド系抗菌薬で、アジスロマイシン、エリスロマイ

『私どもの小児マイコプラズマ肺炎例における検査値データの集計によりますと,年齢によって多少の相違はありますが,一般的には, i) WBCは正常値よりやや高い程度で平均値は6,600 cells/μl (2.300-19.800)であること, ii) 好中球優位であること, iii) CRP の平均値は 1.8 mg/dL (0.1-13.4)程度であること, iv) 血沈が亢進している場合が多いことなどが明らかにされています。』

マイコプラズマ肺炎は“肺炎マイコプラズマ”という細菌による感染症で、3 ..

には,私どもの PCR 法でマイコプラズマ肺炎と診断された具体例を示します。症例は4歳の小児ですが,PCR の機器に接続されたパーソナルコンピューター画面で24サイクルから陽性反応が認められ,後日,菌の分離と抗体価の上昇が確認されています。

※1 マクロライド系抗菌薬:クラリスロマイシン、アジスロマイシンなど。

妊娠中や授乳中の場合にはクラリスを使用できないわけではありませんが、気軽に内服できるわけでもありません。妊娠中に高容量のクラリスを投与すると胎児に心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等の異常が生じる可能性があると動物実験にて報告されています。また、クラリスは母乳にも移行します。病気の種類に応じて、治療を行うメリットと治療を行わないデメリットを比較・検討し、担当医と十分に相談して治療に当たりましょう。

2018 年 10 月最終更新 作成:黒田浩一 監修:細川直登

マイコプラズマ感染症は学童期の代表的な感染症といわれています。 に前述した小児の CAP 例における年齢別の推定原因細菌の内訳を示しました。1歳以下では肺炎球菌とインフルエンザ菌の関与する割合が高く,マイコプラズマによる肺炎は滅多にみられていません。2歳以上になりますと次第にマイコプラズマによる CAP が増えてくることが示され,6歳以上(学童期)ではマイコプラズマ肺炎の占める割合が極めて高くなっているところに特徴があります。