フォシーガ錠10mg(アストラゼネカ株式会社)の基本情報・副作用
DAPA-CKD試験の日本の治験統括医師であり、日本腎臓学会理事長の柏原直樹先生は次のように述べています。「慢性腎臓病患者さんにおいて、2型糖尿病合併の有無に関わらず、腎不全への移行抑制、心血管イベントおよび全死亡に対するダパグリフロジンの有効性が示されました。慢性腎臓病患者さんを対象としたこれまでの試験の中でも画期的な試験であり、ランドマークとなるものです。今回の承認は日本の多くの慢性腎臓病患者さんにとって大きな希望となります」。
であるとされ(「フォシーガ錠 5 mg 他 1 品目」審査報告書〈平成 26 年 1 月 6 日〉)、また初回承認時
重度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者への投与について注意喚起しています。
EGFRが25mL/min/1.73m2未満の患者では、投与の必要性を慎重に判断してください。
eGFRが25mL/min/1.73m2未満の患者では、本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性があります。
最近、 SGLT2阻害剤が腎機能保護作用を持つことが注目されています。 ..
また、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがあります。
重度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者への投与について注意喚起しています。
SGLT2 阻害薬による腎保護効果は、血糖低下作用とは独立して認められることも
EGFRが25mL/min/1.73m2未満の患者を対象とした臨床試験は実施していません。
なお、重度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者への投与について用量調節の設定はありません。
アストラゼネカのバイオファーマ研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「本承認は、慢性腎臓病の患者さんの予後を改善するという当社の目標の実現に向けた重要な一歩となりました。当社は、フォシーガのような新薬によって標準治療を向上させるとともに、時に患者さんを衰弱させ、生命を脅かす慢性腎臓病の予防および早期診断にも取り組んでいます」。
フォシーガ錠10mgの効果・効能・副作用 | 薬剤情報 | HOKUTO
第Ⅲ相DAPA-CKD試験においてフォシーガは、CKDステージ2~4、かつ尿中アルブミン排泄の増加を認める患者さんを対象に、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEi)もしくはアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB) との併用で、腎機能の悪化、末期腎不全 への進行、心血管死または腎不全による死亡のいずれかの発生による複合主要評価項目のリスクを、プラセボと比較して、39%低下させました (絶対リスク減少率 [ARR]=5.3%, p 9。フォシーガの安全性と忍容性は、これまでに確認されている安全性プロファイルと一貫していました。
重度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者への投与について注意喚起しています。
慢性腎臓病の治療薬フォシーガについて考える【腎臓内科医が解説】
参考)
HFrEF(heart failure with reduced ejection fraction):収縮機能が低下した心不全
HFpEF(heart failure with preserved ejection fraction):収縮機能が保たれた心不全
ということが発表されました。この研究結果をうけて、2021年8月にフォシーガ®は「慢性腎臓病(未
小野薬品工業株式会社は、日本の大阪市に本社を置き、特定領域における革新的な医薬品の創製に取り組む研究開発型の製薬企業です。当社は、特に医療ニーズの高いがんや免疫疾患、中枢神経疾患およびスペシャリティ領域を創薬の重点研究領域として活動しています。詳細については、 をご覧ください。
上の図は 2019 年に発表された SGLT2 阻害薬カナグリフロジンの腎障害予防効果を確認したもの
日本においても、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・免疫疾患を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社については、 をご覧ください。
糸球体濾過機能を正常に維持することで長期的には腎保護、そして心保護に
7.用語解説:
(注1)SGLT2(Sodium/glucose cotransporter 2)阻害薬:
SGLT2阻害薬は、腎臓の近位尿細管でのブドウ糖の再吸収を担うSGLT2という輸送体の作用を抑制し、尿への糖の排出を促進
することで血糖を下げる作用を発揮します。日本では2014年から保険適用され、現在(2022年8月)では6種類が使用可能で
す。2型糖尿病の症例を対象としたEMPA-REG OUTCOME試験によって、SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンが、プラセボ
群と比較して、心血管イベントや総死亡を有意に低下させるのみならず、腎イベントを抑制する腎保護作用を有している可能
性が示唆されました。それ以降、SGLT2阻害薬の心血管イベントや腎イベントの抑制効果が多くの大規模臨床試験で報告され
ました。糖尿病治療のみならず心不全や慢性腎臓病など幅広い生活習慣病治療に適応が拡大してきています。
ダパグリフロジン、日本で初めて慢性腎臓病に承認取得/AZ・小野
(3)社会的意義
本研究は、糖尿病だけでなく慢性腎臓病や循環器疾患に対する主要な薬剤としてSGLT2阻害薬への期待が高まる中で、SGLT2阻害薬の各薬剤間における腎保護作用が同等である可能性を、大規模なリアルワールドデータで示しました。これまでエビデンスの乏しかった臨床の現場、とりわけ腎臓領域に貴重なエビデンスを提供することができたと考えています。本研究が、糖尿病や腎臓病などの疾患をもつ患者さんのQOL(Quality of Life)改善、そして健康寿命の延伸に貢献していくものと期待されます。
フォシーガ錠10mg(小野薬品工業株式会社)の基本情報・副作用
(2)研究の内容
2005年1月から2021年4月までにJMDC Claims Database(注6)に登録され、登録後、4か月以上が経過してから糖尿病に対してSGLT2阻害薬が処方され、透析治療歴のない12,100症例(年齢中央値53歳、84%が男性、HbA1c中央値7.5%)を解析対象としました。6種類のSGLT2阻害薬について、それぞれ、エンパグリフロジン(empagliflozin)は2,573症例、ダパグリフロジン(dapagliflozin)は2,214症例、カナグリフロジン(canagliflozin)は2,100症例、それ以外のSGLT2阻害薬は5,213症例(イプラグリフロジン(ipragliflozin)2,636症例、トホグリフロジン(tofogliflozin)1,467症例、ルセオグリフロジン(luseogliflozin)1,110症例)に対して処方されていました。
平均観察期間773 ± 477日の間に、年齢や性別、併存疾患やその他の糖尿病治療薬で補正した解析で、エンパグリフロジン、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、その他のSGLT2阻害薬の間で、腎機能の指標である推算糸球体濾過量(eGFR、注7)の年次変化量を比較しましたが、薬剤間において有意な差は認められませんでした(図1)。この結果は、SGLT2阻害薬の腎保護作用が薬剤間で共通しているクラスエフェクトであることを示唆しています。
腎保護作用があることが明らかになり、2021年には慢性腎臓病(以下.
フォシーガは糖尿病の治療薬として使われていましたが、血糖値を下げるだけでなく腎機能を保護する効果も期待され、糖尿病の患者さんには積極的に使用されていました。
フォシーガは副作用が少なく、多くの研究・論文により医学的根拠があり、安心して使用できるお薬です。 ..
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、オンコロジー、希少疾患、および循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマにおいて、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については または、ツイッター (英語のみ)をフォローしてご覧ください。
それが国際共同臨床試験によって、RA系阻害薬に糖尿病治療薬(商品名・フォシーガ)を併用すると、さらに強い腎保護作用があることが確認された。
4.発表内容:
(1)研究の背景
SGLT2阻害薬は糖尿病治療薬として開発されましたが、大規模臨床試験において(糖尿病の有無に関わらず)腎保護作用を有していることが示され、2021年以降にSGLT2阻害薬の適応は慢性腎臓病に対しても拡大されています。臨床現場でのニーズが高まったことから、SGLT2阻害薬の処方数は増加し、国内では現在6種類のSGLT2阻害薬が糖尿病への適応を有していますが、SGLT2阻害薬の薬剤間で腎保護作用を比較した研究は少なく、SGLT2阻害薬の腎保護作用が、クラスエフェクトと考えて良いのかについては議論が分かれるところでした。そこで、今回、国内最大規模のレセプトデータベースを用いて、糖尿病に対して新規にSGLT2阻害薬が処方された約12,000症例を対象に、個々のSGLT2阻害薬の薬剤間で腎機能の経時的な変化量を比較しました。
SGLT2阻害剤フォシーガ、慢性腎臓病治療薬開発でFDA ..
最近では腎保護作用も報告されており、慢性腎臓病患者にも使用されています。糸球体内圧を低下させて、腎機能低下を抑制することが提唱されています。腎保護作用、心保護作用共に糖尿病の有無に関係なく効果を発揮します。
AZ SGLT2阻害薬フォシーガ 「慢性腎臓病」の効能追加を一変申請
3.発表概要:
糖尿病(注4)の治療薬として開発されたSGLT2阻害薬は、腎臓にある近位尿細管での糖の再吸収を阻害し、糖を尿から排出することで血糖値を下げる薬剤です。SGLT2阻害薬は、これまでの大規模臨床試験において、慢性腎臓病(CKD、注5)の症例に対して腎保護効果が示されたことから、腎臓病の治療薬としても注目を集めています。国内では2014年以降、6種類のSGLT2阻害薬が保険適用され、糖尿病の治療薬として処方されています。SGLT2阻害薬の薬剤間で効果に差が生じるのか、それとも共通の効果(クラスエフェクト)を示すのかについては臨床におけるエビデンスが少ないため、こうしたエビデンスの蓄積が望まれています。
そこで、東京大学の小室一成教授、金子英弘特任講師、南学正臣教授、康永秀生教授、岡田啓特任助教、鈴木裕太研究員および、佐賀大学の野出孝一教授らの研究グループは、国内の大規模なレセプトデータベースを用いて、新規にSGLT2阻害薬が処方された約12,000件の糖尿病症例を解析し、SGLT2阻害薬間で、腎機能の経時的な変化量に有意差がないことを示しました。なお、本研究グループは、糖尿病症例における循環器疾患発症率がSGLT2阻害薬の薬剤間で同等であることを報告していますが(Cardiovasc Diabetol. 2022 May 18;21(1):67. ※)、これらの結果も合わせると、SGLT2阻害薬の腎保護作用あるいは心保護作用がクラスエフェクトであることが示唆されます。本研究成果は、今後の糖尿病、慢性腎臓病、循環器疾患の治療におけるSGLT2阻害薬の使用を考えるうえで、重要なリアルワールドエビデンスになることが期待されます。
なお本研究は、厚生労働省科学研究費補助金(厚生労働行政推進調査事業費補助金・政策科学総合研究事業(政策科学推進研究事業)「診療現場の実態に即した医療ビッグデータを利活用できる人材育成促進に資するための研究」課題番号:21AA2007、研究代表者:康永秀生)の支援により行われ、日本時間8月9日に国際腎臓学会(ISN)の学会誌「Kidney International (Article in Press)」に掲載されました。
薬物相互作用検索ツール | ゾコーバ | 塩野義製薬 医療関係者向け情報
2.発表のポイント:
◆SGLT2阻害薬(注1)は、近年の研究から腎保護効果を有することが示されていますが、薬剤間で腎保護作用を比較した研究は少
なく、効果の差の有無は明らかではありません。
◆本研究では日本人のリアルワールドデータ(注2)分析を行い、糖尿病に対して処方されたSGLT2阻害薬間で、腎機能の経時的な
変化量に有意差がないことを新たに報告しました。
◆その結果、SGLT2阻害薬の腎保護作用はクラスエフェクト(注3)であることが示唆されました。