死亡率低下で“治せる病気”に…既存のステロイド薬投与で治療の効果


デキサメタゾンは安価で広く出回っている薬だが、免疫反応を抑制するため、一般的に重症化した患者以外への投与は推奨されていない。前出のライナー博士はこの点に言及し、主治医らがトランプ氏の容体を非常に危険視していたことを示すものだと述べた。


世界的流行からわずか3カ月 英国が新型コロナ薬を見つけたわけは

実験段階にある抗体治療薬に加え、トランプ氏には抗ウイルス薬「レムデシビル」とステロイド薬「デキサメタゾン」も投与された。

トランプ大統領に投与されたこれら3種の薬は理にかなった組み合わせと考えられます。レムデシビルでウイルスの増殖を抑え、「REGN-COV2」で抗原抗体反応を起こしてウイルスを退治し、デキサメタゾンで全身の臓器の炎症を防ぐことが期待できるからです。実際の医療の現場では、必ずしも理論通りに進まないことも多いのですが、それでも理論的な裏付けは重要です。

【NHK】新型コロナウイルスに感染して入院していたアメリカのトランプ大統領が日本時間の6日朝、退院し、ホワイトハウスに戻りました。…

デキサメタゾンの投与はリスクも伴う。医師団によると、定期的な酸素吸入を受けていないトランプ氏のような患者にとって、同薬は死亡率を高める可能性があると、米医学誌(NEJM)に掲載された研究論文で指摘されている。「酸素吸入を必要としなかった患者には(有害となる可能性はあっても)ベネフィットは確認されなかった」という。

トランプ米大統領の新型コロナウイルス感染症(COVID19)治療で、医師団は新たにステロイド薬デキサメタゾンの投与を決めた。この医薬品はより重症の新型コロナ患者に使用されることが多い。

【新型コロナ】米国の感染状況は悪化するとトランプ氏、銀と金上昇

トランプの医療チームは週末に、ウォルター・リード陸軍病院でトランプにデキサメタゾンを投与した。トランプは木曜の夜遅くに、彼と妻のメラニアは新型コロナウイルス陽性だとツイートした。そして金曜の午後に、ホワイトハウスからヘリでウォルター・リードに移った。

「私は脳の手術の後にデキサメタゾンを与えられた。これは精神を侵す薬だ。早く止めたかったが、この薬はいっぺんにやめられず、徐々に減らさなければならないので時間がかかる。トランプもそうだろう」

トランプ米大統領は21日に新型コロナウイルスに関する会見を再開し、米国での感染状況が改善する前に悪化するだろうとの見通しを示した。

「私がデキサメタゾンを処方されていた時には猫の面倒さえ見られなかった。トランプも大統領の職務に復帰するなど許されるべきではない。下手をすれば戦争を始めかねない。トランプは正常ではない」と、スタンフォードで法律と社会学を教えるミシェル・ダウバーは日曜の午後のツイートに書いた。

新型コロナウイルスに感染し、ドナルド・トランプ米大統領に投与されたのと同じステロイド薬「デキサメタゾン」を投与されたことがあるスタンフォード大学の教授が、トランプの精神は薬のせいでまともではなくなっており、とても執務に戻れる状態ではないと警告している。


(コラム)トランプ氏に投与された新型コロナウィルス治療薬とは?

2日に感染を発表したトランプ大統領は5日、。入院中は、や酸素補給などの治療を受けていた。デキサメタゾンは新型コロナウイルス治療においては、重症や重体の患者に使用される。

トランプ前米大統領に投与された抗体医薬品を国内承認申請 中外製薬

ショーン・コンリー医師は、トランプ氏の感染が判明した後に2回、血中酸素濃度が下がり、ステロイド薬のデキサメタゾンを投与したと明らかにした。

中外製薬は2種類のモノクローナル抗体医薬品を組み合わせた新型コロナウイルス感染症の治療法「抗体カクテル療法」を厚生労働省に承認申請した。

BBCのジェイムズ・ギャラガー健康科学担当編集委員は、デキサメタゾンは病状が「穏やかな」時に使うステロイド薬ではないと説明。トランプ氏の血中酸素濃度は一時94%を下回っており、で「深刻な病状」に分類される状態だったとした。

2020年大統領選 トランプ氏、「コロナ克服」前面 劣勢に危機感

医師団は、COVID-19の重症患者に効果があるとの研究が発表されている、ステロイド薬のデキサメタゾンをトランプ氏に投与することを決めたという。