2.1 軽度認知障害(MCI)とメラトニン · 2.2 夜間高血圧とメラトニン · 2.3 更年期障害とメラトニン.
メラトニン分泌機能低下と認知症の症状との関連性を示唆する研究が多く存在する。認知症関連の認知機能変化の管理に対するメラトニンの使用を評価するために、3件のランダム化プラセボ対照試験から得られたデータのメタアナリシスを実施した。当該3試験のうち、気分障害と行動障害の管理についてメラトニンを評価した2試験については、データの併合も実施した。行動および気分に関する精神病理学尺度スコアのメタアナリシスにより、アウトカムの有意な改善が確認された。メラトニン治療は、認知症関連の精神病理的行動障害の治療に有用かもしれない。認知機能障害の治療に対するメラトニンの効果を裏づけるエビデンスは得られなかった。
メラトニンは、以下のように認知機能と関連していることが報告されています。 ; ・脳の健康と保護
認知症の人は、睡眠障害を起こすことが多い。これらには、夜間の睡眠の減少、頻回の覚醒、夜間の徘徊、日中の過度の睡眠などが含まれる。
これらの行動は介護者に大きなストレスを与え、認知症の人の施設入所の早期化と関連している可能性がある。これらの行動は、介護職員にとって十分管理することが困難である恐れもある。
[PDF] 高齢者における睡眠障害と認知機能および睡眠改善技術
薬を使わない治療法をまず試してみるべきであるが、これらは役に立たないこともあるし、薬が使われることも多い。睡眠障害の原因が認知症による脳の変化である可能性があるため、認知症の人に通常の睡眠薬が有効かどうかは不明であり、薬が重大な副作用(ハレーション)を引き起こすのではないかと心配されている。
この更新されたコクランレビューでは、認知症患者における睡眠障害治療に使用されるあらゆる薬の有益性および高い頻度で認められる有害性の確認を試みた。
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認知症の人の睡眠障害の治療に使われるあらゆる薬を偽薬(プラセボ)と比較した、よく計画された2020年2月までの試験を検索した。介護者の団体に相談して、試験で最も重要な結果を特定するための手助けをしてもらった。
メラトニン(5試験)、トラゾドン(1試験)、ラメルテオン(1試験)、オレキシン拮抗薬(2試験)の4種類を調査した9つの試験(649人)が見つかった。すべての試験の参加者は、アルツハイマー病による認知症を患っていた。ラメルテオン試験1件、メラトニン試験1件、オレキシン拮抗薬試験2件が商業的に資金提供された。全体的に、エビデンスは中程度の質か低い質であり、今後の研究が結果に影響を与える可能性が高いことを意味している。
睡眠を改善する食事で認知症予防 | 生命の時計から考える健康生活
トラゾドン試験の参加者とメラトニン試験の参加者の多くは中等度から重度の認知症であったが、ラメルテオンとオレキシン拮抗薬試験の参加者は軽度から中等度の認知症であった。
5つのメラトニン試験には253人が参加した。アルツハイマー病による認知症の人の睡眠がメラトニンで改善されたというエビデンスは見つからなかった。ラメルテオン試験は参加者74人を対象とした。入手可能な限られた情報ではラメルテオンがプラセボより優れているというエビデンスは得られなかった。どの薬にも大きな有害作用はなかった。
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認知症患者に一般的に処方される他の睡眠薬に関する試験を検索したが、確認することができなかった。 睡眠障害は他の認知症でもよく見られるが、参加者全員がアルツハイマー病による認知症であった。参加者がどのくらいの時間、中断せずに眠っていたかを評価した試験はなく、介護者の団体にとって優先順位の高い結果となった。副作用を体系的に測定したのは4つの試験のみであった。
経炎、精神病、アルコール性認知症などの神経・精神障害を引き起こす。アルコールは
認知症の睡眠障害に対する薬の決定に必要なエビデンスには大きなギャップがあるという結論に達した。医療現場に情報を提供するためには、より多くの試験が必要である。試験には副作用の注意深い評価を含めることが重要である。
認知症の「夕暮れ症候群」とは? 黄昏時に揺らぐ心と体のケア方法
高齢者社会になった日本では、認知症の予防が重要なテーマになっています。
睡眠不足や睡眠の質の低下などの他に、実は過眠症や睡眠障害などが隠れている可能性もあります。 ..
認知症が疑われる場合は、外来においてを行って調べます。脳の器質的異常、血液の流れ、代謝の程度を評価するために、頭部MRI検査、スペクト検査、およびPETを施行します。
認知症に気付く 弁当を宅配して高齢者を見守り 沖縄・読谷村の海邦福祉会.
最終的には、認知症の診断基準に従って、確定診断がされます。
[PDF] メラトニンの代謝産物 AMKが長期記憶を促進する
脳の病変による「認知機能の低下」から引き起こされる症状を、と言います。具体的には、もの忘れなどの記憶の障害、見当識の障害、理解と判断力の低下、実行機能障害、そして、感情表現の変化があります。
ることはすでに報告されていますが、それらはメラトニンの長期投与による抗酸化作用によるものです。
認知症になると、体内時計を調節している神経系の変性が生じること、そして、日中の活動が低下することで光の暴露量が減ることで、睡眠リズムが障害されます。
メラトニンは、快適な睡眠を得るためには欠かせないホルモンです ..
アルツハイマー型認知症では、こと、ことが生じます。その結果、の症状が出現しやすくなります。
メラトニン分泌の変化は注意欠如多動症(ADHD)症状と関連する
高齢になると睡眠時間が短くなります。認知症が合併すると、日中の覚醒と夜間の睡眠のバランスが崩れ、睡眠リズムが不規則になる傾向になります。
メラトニンは睡眠だけでなく、様々な身体の機能に影響を与えています。ここでは精神科医が、メラトニン ..
アルツハイマー型認知症では、が出現しやすいです。体内時計の調節が不十分になるため、になることが特徴です。病状が進行すると、のパターンになることが問題になります。という状況が少なくありません。
眠りを促す働きがあるメラトニンの分泌量が加齢にともなって減少することも関係しています。 【参考記事】 不眠症. 症状の種類と特徴について。
一方、レビー小体型認知症では、を調節する脳の部位が障害されるので、が出現することが多いです。ようなを発するなどの異常行動があります。ようになったという事例もあります。
[PDF] 項 内 容 名称 メラトニン、松果体ホルモン [英]Melatonin [学名]
認知症の人から「眠れない」という訴えがあったときに、不眠症だけではなく、睡眠時無呼吸、睡眠リズム障害、むずむず脚症候群などの病気があるか、鑑別することが大切です。
熟眠障害は自覚症状がないケースが多く、他のタイプの不眠も併発して ..
認知症に合併している睡眠障害の種類によって、治療法は異なります。概日リズム睡眠障害の睡眠後退型では、メラトニンアゴニストの内服、光療法などが検討されます。一方、レム睡眠行動障害の症状を抑えるには、クロナゼパムが使われます。
睡眠が十分でないと老化リスクに! 脳と体を若く保つ睡眠のポイント
不眠の症状に対して、が処方される場合もありますが、認知症による睡眠障害の場合は、コントロールが困難になることが多いです。こころの病気を併発しているときは、その治療管理も必要になります。
「メラトニンは、全身に夜が来たことを伝えるホルモンで、体内時計に ..
認知症で不眠症を有する人には標準治療に徐放性メラトニン(prolonged-release melatonin:PRM)を追加投与することで、認知機能と睡眠維持にポジティブな効果をもたらすことが示された。英国・CPS Research社のAlan G Wade氏らが無作為化プラセボ対照試験の結果、報告した。最近の報告で、眠りが浅い熟眠障害とアルツハイマー病(AD)との関連が示されていた。研究グループは、ADの前臨床期においてすでに内因性メラトニン値が低下していることから、メラトニンの補充がADに有益となるのか、またその効果が睡眠障害に影響を及ぼすのかを調べた。Clinical Interventions in Aging誌オンライン版2014年6月18日号の掲載報告。
認知機能と睡眠についての標準治療へのPRM(2mg)の上乗せ効果を検討した試験は、6ヵ月間にわたって多施設共同二重盲検並行群比較にて行われた。被験者はプラセボ投与を2週間受けた後、PRMを毎夜2mgまたはプラセボを受ける群に割り付けられ24週間投与された。その後プラセボを2週間投与された。認知機能の評価は、AD評価尺度・認知機能検査(AD Assessment Scale-Cognition:ADAS-Cog)、手段的日常生活動作(IADL)、Mini-Mental State Examination(MMSE)にて、睡眠の評価についてはピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)、睡眠日記により行われた。また安全性についても評価した。
主な結果は、以下のとおり。
・被験者は80例であった。男性50.7%、平均年齢75.3歳(範囲:52~85歳)、軽度~中等度ADの診断を受けており、不眠症あり・なし、標準治療(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬単独またはメマンチンを併用)を受けていた。
・結果、PRM 24週治療群は、IADL(p=0.004)、MMSE(p=0.044)の評価において、プラセボ群と比べて認知機能の有意な改善が認められた。平均ADAS-Cogについては両群に差はみられなかった。
・PSQIの4項目で評価した睡眠効率についても、PRM群が良好であることが示された(p=0.017)。
・睡眠障害(PSQI≧6)を有する患者の分析では、PRM治療はプラセボと比べて、有意かつ臨床的に意義のある効果に結び付くことが、平均IADL(p=0.032)、MMSEスコア(+1.5ポイントvs. -3ポイント、p=0.0177)、睡眠効率(p=0.04)の評価において示された。ADAS-Cog中央値の評価において、PRM群は有意に良好であった(-3.5ポイントvs. +3ポイント、p=0.045)。
・両群間の有意差は、治療期間が長期であるほど顕著であった。
・PRMは忍容性も良好で、有害事象のプロファイルは、プラセボと類似していた。
・今回の結果について著者は、「とくに不眠症を有するAD患者において、PRMはプラセボと比べて認知機能および睡眠維持にポジティブな効果があることが示された」と結論したうえで、「今回の結果から、熟眠障害と認知機能の低下には因果関係があることが示唆される」と述べている。
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多くの認知症高齢患者と介護者を苦しめる、認知低下や気分障害、行動・睡眠障害およびADL(日常生活動作)の制限は、サーカディアンリズム障害が関連している。オランダ神経科学研究所(Netherlands Institute for Neuroscience)のRixt F. Riemersma-van der Lek氏らは、サーカディアンリズムの2大同調因子である「明るい光」と「メラトニン」を長期間、単独もしくは組み合わせることで、認知症状の進行を改善できるかどうかを検証する長期2×2因子二重盲検無作為化プラセボ対照試験を行った。JAMA誌2008年6月11日号より。
試験は1999年から2004年にかけて、オランダのグループケア施設12ヵ所の居住者計189例を対象に行われた。平均年齢は85.8歳(SD:5.5年)、90%が女性、87%は認知症だった。
対象を、平均15ヵ月間(SD:12ヵ月間、最長3.5年間)、全日明るい(±1000ルクス)もしくは薄暗い(±300ルクス)状況、夕方にメラトニン(2.5mg)またはプラセボを、施設ごとに無作為に割り付けた。
主要転帰尺度は、6ヵ月ごとに、標準的な評価検査や指標[認知機能検査のMini-Mental State Examination (MMSE)、うつ症状を評価するCornell Scale for Depression in Dementia(CSDD)、看護情報に基づく日常生活動作スケールなど]を用いて認知症状の進行状況やADLの制限、および有害事象に関する評価を行った。
結果、光療法は、認知症状をMMSEで平均0.9ポイント改善させたほか、うつ症状はCSDDで1.5ポイント寛解、ADLの制限は年1.8ポイント改善した。
メラトニン投与は睡眠開始までの時間を8.2分短縮し、睡眠時間を27分延長した。ただしメラトニン投与をPhiladelphia Geriatric Centre Affect Rating Scaleを用いて行った評価では、ポジティブ感情がマイナス0.5ポイント、ネガティブ感情がプラス0.8ポイントだった。またMulti Observational Scale for Elderly Subjects scaleを用いた評価では、引きこもり行動が1.02ポイント増加していたが、光療法との併用では増加はみられなかった。
併用療法については、Cohen-Mansfield Agitation Indexの評価で、攻撃的態度が3.9ポイント減少させ、睡眠効率を3.5%増加し、夜間不穏を年間1時間当たり1分間改善させた。
Lek氏は「光療法は、認知症高齢者の症状をある程度改善する効果がある。一方メラトニン投与は気分障害の副作用が出るため、光療法との併用のみ推奨される」と結論している。
(朝田哲明:医療ライター)