機体全体に癌浸潤があり、全体に造骨性変化を認める。 単純レントゲン写真では、圧迫骨折を起こした椎


がんによる痛みでは鎮痛薬の投与などの痛みに対する治療とともに,外科治療,化学療法,放射線治療などの腫瘍そのものに対する治療を検討する。がん治療による痛み(術後痛症候群,化学療法後神経障害性疼痛など)やがん・がん治療と直接関連のない痛み(脊柱管狭窄症,帯状疱疹など)では原因に応じた治療を行う。痛みがオンコロジーエマージェンシー(脊髄圧迫症候群,骨折・切迫骨折,感染症,消化管の閉塞・穿孔・出血など)の症状であることがあるので,痛みの対応のみでなく,痛みを生じている病態の把握と原因への対応を行う。特殊な疼痛症候群(神経障害性疼痛,骨転移痛,上腹部の内臓痛,胸部痛,会陰部の痛み,消化管閉塞など)の場合にはそれぞれの対応を検討する。


NCCN のガイドライン(2012)では,神経圧迫,多発骨転移による痛み,炎症,消化 ..

がんによる痛みでは鎮痛薬の投与などの痛みに対する治療とともに,外科治療,化学療法,放射線治療などの腫瘍そのものに対する治療を検討する。がん治療による痛み(術後痛症候群,化学療法後神経障害性疼痛など)やがん・がん治療と直接関連のない痛み(脊柱管狭窄症,帯状疱疹など)では原因に応じた治療を行う。痛みがオンコロジーエマージェンシー(脊髄圧迫症候群,骨折・切迫骨折,感染症,消化管の閉塞・穿孔・出血など)の症状であることがあるので,痛みの対応のみでなく,痛みを生じている病態の把握と原因への対応を行う。特殊な疼痛症候群(神経障害性疼痛,骨転移痛,上腹部の内臓痛,胸部痛,会陰部の痛み,消化管閉塞など)の場合にはそれぞれの対応を検討する。

肺癌治療においては根治治療を行うことが難しい場合でも,症状の緩和や延命を目的とした胸部への放射線治療の役割は大きく,対症的に放射線治療を行うよう勧められる。照射線量に関するシステマティックレビューでは,総合的な症状緩和効果は高線量分割照射のほうが低線量照射より優れ(77.1% vs 65.4%,P=0.003),1年生存割合も良好であった。ただし,治療による食道炎の頻度は高線量分割照射のほうが高かった(20.5% vs 14.9%,P=0.01)。一方,30 Gy/10回と同等あるいはそれ以上の高線量分割照射と,より少ない総線量での照射とを比較した5つの臨床試験のメタアナリシスでは,症状改善率(咳嗽:約50%,胸痛:50~86%,血痰:75~97%)や1年および2年生存割合に差は認められなかった。以上,緩和的胸部照射については,いずれの報告においても高い割合で症状緩和が得られており,有効性がメタアナリシスで示されている。エビデンスの強さはA,また総合的評価では行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。一方で患者背景などが様々であり,最適な線量を明示するだけの根拠は不足している。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

外傷(例,骨片の転位を伴う脊椎圧迫骨折,急性椎間板ヘルニア,血腫を引き起こす重度の骨または靱帯損傷,脊椎の亜脱臼または脱臼)

以上より,無症候性脳転移に対する薬物療法については,有効性を示唆するデータが複数報告されているものの,いずれも単群第Ⅱ相試験や第Ⅲ相試験のサブグループ解析である。エビデンスの強さはC,ただし総合的評価では行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

各薬剤を比較したメタアナリシスでは,Talc噴霧法による胸水制御が良好で,BLM,DOXY,TCなどより優れていた。Talc噴霧法とTalc懸濁法を比較した第Ⅲ相試験では,78%と71%で胸水制御が得られ,有意差は認めなかった。重篤な副作用として急性呼吸促迫症候群があるが,粒子径の大きいもの(平均24.5 μm)では低頻度であった(558例中0例)。よって,2013年に本邦でもTalc懸濁法が承認されてから,胸水制御のエビデンスのあるTalcが汎用されるようになった。胸腔ドレナージ後の胸膜癒着術は,ドレナージ単独より胸水コントロール率に優れていることがエビデンスの質の高い研究で示されている。

では、病的骨折の危険際の高い骨転移 または脊椎転移が脊髄圧迫を生じている骨転移に.

無症候性脳転移患者に対する細胞障害性抗癌剤の有効性が複数の試験で検討されている。非扁平上皮非小細胞肺癌43例を対象としてCDDP+PEM療法を行った第Ⅱ相試験では,頭蓋内病変のORRは41.9%で,頭蓋内病変のPFS中央値は5.7カ月(95%CI:4.0カ月-7.6カ月)であった。同様に非扁平上皮非小細胞肺癌67例を対象にCBDCA+PTX+ベバシズマブ療法を行った第Ⅱ相試験では,頭蓋内病変のORRは61.2%で,頭蓋内病変のPFS中央値は8.1カ月(95%CI:5.5カ月-11.3カ月)であった

クリゾチニブを投与した第Ⅱ相試験と第Ⅲ相試験の統合解析に未治療脳転移症例が109例含まれ,全身のORRが53%であるのに対して頭蓋内病変のORRは18%と高くはないものの,頭蓋内病変増悪までの期間の中央値は7.0カ月(95%CI:6.7カ月-16.4カ月)であった。ALEX試験において,測定可能な未治療の脳転移を有する29例における頭蓋内病変のORRは,クリゾチニブ群 40.0%に対して,78.6%とアレクチニブ群で良好であった。セリチニブの第Ⅲ相試験におけるサブグループ解析では,22例における頭蓋内病変のORRは72.7%と報告された。ロルラチニブの第Ⅱ相試験におけるサブグループ解析では,頭蓋内病変のORRはALK-TKI未治療例(3例)で66.7%,少なくとも1つのALK阻害剤既治療例(81例)で63.0%と報告された

悪性腫瘍の脊髄圧迫神経症状に対するデキサメタゾン大量療法の有効性と副作用の検討 ; 出版年: 2013 ; 資料形態

本邦のEGFR遺伝子変異陽性患者41例を対象にゲフィチニブ単剤を行った単群第Ⅱ相試験では,頭蓋内病変のORRは87.8%,頭蓋内病変のPFS中央値は14.5カ月(95%CI:10.2カ月-18.3カ月)であった。FLAURA試験のサブグループ解析では,脳転移を有する128例における頭蓋内病変のPFS中央値はオシメルチニブ群未到達に対して第一世代EGFR-TKI群13.9カ月(HR 0.48,95%CI:0.26-0.86)とオシメルチニブ群で有意に延長していた。頭蓋内病変のORRも91%,68%とオシメルチニブ群で良好であった。T790M変異陽性を対象としたAURA3試験のサブグループ解析では,頭蓋内病変のPFS中央値はオシメルチニブ群11.7カ月に対して細胞障害性抗癌剤群5.6カ月(HR 0.32,95%CI:0.15-0.69)とオシメルチニブ群で有意に延長していた。測定可能病変を有する46例の頭蓋内病変のORRも70%,31%とオシメルチニブ群で良好であった

選択的COX-2 阻害薬については,非がん患者において,従来のNSAIDs に比較して,胃十二指腸潰瘍の発現率が少ないことが示唆されているが,がん患者に関する臨床試験はない。したがって,本ガイドラインでは,選択的COX-2 阻害薬の胃潰瘍予防については検討の対象としなかった。現在のところ,患者のリスク(胃潰瘍の既往,コルチコステロイドの併用,高齢者など)を個別に評価し,リスクがある場合には他のNSAIDs と同じように胃潰瘍の予防策をとることが妥当であると考えられる。


Dexamethasone for Epidural Spinal Cord Compression ..

したがって,本ガイドラインでは,専門家の合意により,がん疼痛でNSAIDs を投与する場合においては,プロスタグランジン製剤,プロトンポンプ阻害薬,および,高用量のH2受容体拮抗薬のいずれかを使用することを推奨する。

(METASTATIC SPINAL CORD COMPRESSION)とは

無症候性脳転移に対して薬物療法・放射線治療のどちらを先行させるかという重要なクリニカルクエスチョンが生じるが,現時点で明確なエビデンスは乏しいことから,脳転移巣のサイズ・個数・部位,医療状況などをもとに放射線腫瘍医と十分検討のうえで判断されるべきである。

率に再石灰化することが知られているが 8),再石灰化が病的骨折を減少させるというエビデン

以上より,プロスタグランジン製剤,プロトンポンプ阻害薬,高用量のH2受容体拮抗薬は,NSAIDs による消化性潰瘍を予防すると考えられる。これらの根拠となった臨床研究の対象は変形性関節症や関節リウマチであり,がん患者に適応できるとは限らないが,がん疼痛でNSAIDs を投与する場合においても適用しうると考えられる。

16.オンコロジーエマージェンシー(oncology emergency)

無症候性脳転移に対しては全身治療として薬物療法が治療の中心となるものの,放射線治療も高い局所制御を示すことからその時期を逸さないことは重要である。一方で近年,新規薬物療法の登場によって進行非小細胞肺癌の予後は延長しており,治療方針を決定する際の評価項目として,OS・脳転移制御率だけではなく神経学的予後に対する配慮もより重要となっている。

[PDF] がん治療における緩和的放射線治療の 評価と普及啓発のための研究

プロスタグランジン製剤については無作為化試験12 件および系統的レビューから,プロトンポンプ阻害薬については無作為化試験3 件と系統的レビューから,プラセボに比較しNSAIDs 潰瘍を予防すると結論づけられている。またH2受容体拮抗薬については,常用量で有効であるという根拠はないことが6 件の無作為化試験,系統的レビューから支持されており,高用量のH2受容体拮抗薬は胃潰瘍の予防に有効であることが,1 件の無作為化試験と1 件の系統的レビューから支持されている。高用量のH2受容体拮抗薬とは,消化性潰瘍の用量の2 倍量を指す。

転移性骨腫瘍

以上より,髄膜癌腫症に薬物療法・放射線治療について勧めるだけの根拠が明確ではなく,推奨度決定不能とした。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

転移性骨腫瘍

髄膜癌腫症に対する薬物療法の有効性は,本邦で承認された薬剤・用量に限った場合,いくつかの後方視的研究での報告に限られている。また,髄膜癌腫症に対する放射線治療(全脳照射)の有用性を検討した前向き臨床試験は存在しない。後方視的研究では,髄膜癌腫症での全脳照射の有用性は認められていないが,中には症状緩和が得られる症例が経験されることもある。

手術や定位手術的照射に,全脳照射の追加は勧められるか?

痛みでNSAIDs が投与されているがん患者において,プロスタグランジン製剤,プロトンポンプ阻害薬,高用量のH2受容体拮抗薬のいずれかを使用する。
(強い推奨,高いエビデンスレベル)

症状を有する骨転移に対する適切な照射法は何か?

以上より,脳転移に対する手術やSRSに全脳照射を追加すると,局所制御には有効であると考えられるが,一方では生存には寄与せず,認知機能低下などの有害事象も懸念されることが複数の臨床試験で示されている。このため手術やSRS後に全脳照射を追加するかしないかは,腫瘍サイズや性状,手術所見などを踏まえて総合的に判断すべきである。エビデンスの強さはA,また総合的評価では行わないよう弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

症状を有する骨転移に対して,放射線治療が勧められるか?

痛みの日常生活への影響,痛みのパターン(持続痛か突出痛か),痛みの強さ,痛みの部位,痛みの経過,痛みの性状,痛みの増悪因子と軽快因子,現在行っている治療の反応,および,レスキュー薬の鎮痛効果と副作用について評価する。

1)骨転移

痛みでNSAIDs が投与されているがん患者において,プロスタグランジン製剤,プロトンポンプ阻害薬,および,高用量のH2受容体拮抗薬は,プラセボに比較して胃潰瘍の発生を予防する。

7-1.骨転移

また,手術もしくはSRSを行った患者に対して全脳照射の追加を検討したランダム化比較試験において,全脳照射併用群は健康関連QOLが悪い傾向にあった

骨転移による疼痛は、放射線治療やビスフォスフォネートという点滴薬、鎮痛薬の内服で緩和することができます。 内服薬のなかでも、とくに非ステロイド性鎮痛薬や医療用麻薬を使用します。 麻薬は医療用に開発されたものですので、こわい薬剤ではありません。

4個以下の脳転移に対するSRSと,SRS+全脳照射との併用療法を比較した試験は複数あり,ランダム化比較試験のメタアナリシスで局所制御率については併用群で有意に良好であった(HR 2.61,95%CI:1.68-4.06,P<0.0001)が,OSに有意差を認めなかった(HR 0.98,95%CI:0.71-1.35,P=0.88)。4個以下脳転移に対して,3 cmを超える病変に対して手術が行われ,手術後残存腫瘍に対して全脳照射または再発時SRSを比較したランダム化比較試験が行われた。OSは両群で15.6カ月で,非劣性仮説に対する片側P値=0.0266(HR 1.05,90%CI:0.83-1.33)であり,SRS群の全脳照射群に対する非劣性が証明された。

骨転移とは?骨転移の緩和ケアと症状解説

5個以上の脳転移に対するSRSの有効性については,前向き観察研究で5~10個の脳転移と2~4個の脳転移に対する治療成績の比較によって,生存率に差がなかったとする結果が本邦から報告されており,有害事象の出現率にも差を認めなかった(9% vs 9%,P=0.89)。ただし,本研究の適格基準として最大経3 cm未満,最大腫瘍体積10 mL未満,合計体積15 mLなどが挙げられており,この結果を適応できる患者は限られる可能性がある。一方で,全脳照射後の認知機能低下について複数の報告がされていることから,この対象に対して定位照射も治療選択肢として提案できる。エビデンスの強さはC,また総合的評価では行うよう弱く推奨(2で推奨)できると判断した(合意率61%)。また個数にかかわらず定位照射を選択した場合には,しばしば後発転移が生じることから定期的な画像診断を継続することが必要である。