◉ピルが合わなければ? ピル以外にはないの? ジエノゲスト、ミレーナ、漢方薬
A:バイアグラは男性の勃起不全治療剤として、98年にアメリカで発売され、それと同時に世界中で話題になりました。
日本でも個人輸入で売買され、安易な使用で副作用による死亡者が相次ぎました。事態を重くみた厚生省は、申請から6カ月という異例のスピードで、今年1月に医薬品としての発売を承認しています。
バイアグラは陰茎への血液を増加させ、勃起をおこしますが、勃起不全を根本から治療するものではありません。厚生省は「生活改善薬」とし、医療保険を適用 させませんでした。したがって、まったくの自己負担で医師の診察を受けて処方箋をもらい、薬局で買うことになります。
バイアグラは性交の1時間前に1錠飲みます(1日1錠まで)。服用の間隔は24時間以上です。 バイアグラはもともと、心臓の血管を広げる薬として開発されていました。したがって、心臓が悪く血管拡張剤(ニトログリセリンやニトロール、フランドル など亜硝酸剤)を飲んでいる方は、相互作用で急激な血圧降下をおこすため使用できません。
そのほか、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞をおこして6カ月以内の方や重度の肝機能障害、低血圧の方も使用できません。また、胃薬や抗生物質、血圧降下剤と併用 して飲んだ場合も血圧の急激な低下がおこることが報告されています。
バイアグラの発売後1年間で、副作用による死亡者が世界で130人(服用者5万人に1人の割合)に達しています。新薬ですので、予期せぬ副作用が現れる可 能性があります。興味半分に他人からもらったり、あげたりすることは絶対やめましょう。
バイアグラは半年で承認。ピルは44年。緊急避妊薬の承認は話が来てから11年を要した。 ..
北村:当時、ジャパン・タイムズ紙には、ジェンダーバイアスの象徴と書かれていました。44年もかかったピルを「トロッコ」に、バイアグラを「新幹線」に例えてね。
A:ピルは女性ホルモンの卵胞ホルモンと黄体ホルモンの混合剤で、排卵を抑える薬です。今年の秋から発売される見通しの低用量ピルは、これまで副作用が多かっ た高用量ピル(本来はホルモン治療のための薬で、ホルモンの含有量が多い)の避妊効果を保ちながら、ホルモン量を減らしたものです。世界で9000万人の 女性が飲んでいるといわれています。
日本で避妊目的で高用量ピルを服用している女性は20万人ともいわれ、副作用の少ない低用量ピルの発売は歓迎されるでしょう。
低用量ピルも「生活改善剤」であり、保険の適用はありません。薬代以外に医師の技術料、性感染症などの検査費用が自己負担になります。
ピル解禁で、やっと女性自身が避妊を選べる時代になったともいえますが、ホルモン剤ですので胃腸障害、血栓症、発がん性のリスクなどが少ないとはいえ、 まったくないとはいえません。「女性に負担がかかる避妊方法」ともいえます。妊娠に気づかずに服用すれば胎児に影響をおよぼし、また内分泌攪乱物質として の問題点も心配されます。
ピルを使用しても3~5%は避妊に失敗するともいわれています。ピルは定期的に服用する薬です。服用を希望する場合は、産婦人科の医師や薬剤師に相談してください。
バイアグラはわずか半年で認可。でも低用量ピルは40年…その差は何だったのか。 Shino Tanaka
※今後国内でも100mgが承認される可能性はありますが、現時点ではバイアグラ100mgの国内での承認に関する情報はありません
北村:ぜひ知っておいて欲しいのは、新薬については「申請なきところ承認なし」ということです。医師主導の方法や公知申請といって、既に承認されている薬の適応追加などが行われることがありますが、一般的には製薬企業が開発の意義を感じるかどうかです。バイアグラの場合には、申請から承認まで半年でした。陰では、政治的な判断が働いたといいます。
バイアグラは「特別待遇」? 17歳で教師の性暴力に苦しんだ私が知った「低用量ピル突然承認」の歴史 ..
ピル 1999年の新年早々、産経新聞を飾った記事が注目を集めた。佐藤好美記者による記名記事だが、「男性の性的不全の治療薬バイアグラが申請から半年という異例のスピードで認可される一方、女性の経口避妊薬ピルは30年以上認められないことに関係者から疑問の声が上がっている」から始まる。
バイアグラはこの前年(98年)12月、厚生省の中央薬事審議会の2つの部会を通過。1月にも製造・輸入が正式承認される。「新薬の承認はスピードアップの方針」という厚生省が、海外の臨床試験データを一部利用して審査の時間短縮を図り、申請からわずか半年のスピード承認となりそうだ。背景にはバイアグラが認可されないまま並行輸入で出回るなど人気が過熱していたことが挙げられる。昨年夏には死亡例も報告されており、「早く認可して医療機関を通す正規ルートに乗せた方が安全」(厚生省筋)との判断があった。
厚生省のある官僚の元には昨年夏、国会議員の一人から「わたしもバイアグラを試してみたい。治験をやっている大学から入手できないか」との電話要請があったという。自民党の小委員会でも「最近話題のグレートドラッグ(バイアグラ)はどういう(審査の)状況か」との質問も出るほどで「(認可するかどうかの)圧力にはならないが、過熱ぶりは分かった」(厚生官僚)との声も。
一方、女性が使用する経口避妊薬ピルは昭和40年(65年)ごろ最初の申請が出て以来、審議の凍結や再開を経て30年以上、避妊用としては認可されないまま。この間に、より安全なホルモン量の低いものも開発され、一般的な使用で97%という高い有効性が確認され、日本国内でも昭和60年(85年)代に2年がかりで5千人の女性を対象に大規模な長期試験が行われた。ある厚生官僚は「歴代の大臣や局長が反対だったり、とかく政治マターであることは間違いない」と証言する。(中略)
これに対し、厚生省の中西明典医療安全局長は「薬はそれぞれの問題点を踏まえて審査している。性に関する医薬品という点では似ているが、バイアグラは日本にも患者がいる勃起不全の治療薬。治療薬は安全性と有効性を天秤にかけるが、健康な女性が使うピルは安全性を最大限、配慮することが重要だ」としている。
これを機に、国内外のメディアは日本のジェンダーバイアスについて一斉に報道。ジャパンタイムズは、バイアグラを新幹線に、ピルをトロッコに例えてイラストで表現。IPS(国際プレスサービス)では2月20日に、米誌ニューズウィークでも「The Great Viagra Emergency」をテーマに2月8日、筆者のコメントを紹介しながら記事をまとめている。
1955年、ピル開発の父と呼ばれているグレゴリー・ピンカス博士が、東京で開催された第5回国際家族計画会議で発表した。これを受けて、すぐに日本でも日本医科大学の石川正臣教授らが経口避妊薬の研究班を立ち上げた。
低用量ピルとバイアグラ II. バイアグラ バイアグラの適応 | 文献情報
日本でも対応するため早急に国内での認可が進められ、通常1年程かかる審査が異例の半年という早さで承認されています。
海外で多くの女性が避妊のために使用しているミニピル、インプラント、パッチ、注射は日本では認可されていません。
日本では1999年に低用量ピルが認可されました。 欧米に遅れること30年です。
死亡事故による「バイアグラ=危険」というイメージもあり、認可は慎重になり100mgを承認しなかったと考えられます。
ピル(医療と性と政治)(19) 「性の乱れ」を防ぐことに ..
「私はバイアグラの認可に反対している者ではない。その薬剤を必要としている人がいて、その疾患の改善に役立ち、安全性と有効性が十分に認められているならば、大いに結構なことである。」の書き出しで厚生省(当時)医薬安全局審査管理課宛てに送られたファックスがある。「私」とは言うまでもなく筆者である。1998年12月25日のことだ。
次のように続く。「しかし、『性』の現場で使用される二つの薬剤、バイアグラと低用量ピルの審議の異常なほどの違いに戸惑いを覚えている。医薬品特別部会、常任部会という中央薬事審議会における二つの部会は、両者の薬剤を審議している。私の調査したところ、両部会とも女性委員は一割程度に過ぎない。主として男性が服用するバイアグラと、女性のみが使用する低用量ピル。審議される委員の姿勢が、こんなところに現れているとはいえないだろうか。長年、低用量ピルの早期認可を訴えてきたものの一人として、まだまだ男性優位社会である現代日本を象徴するかのようなバイアグラのスピード承認と、遅々として進まない低用量ピルの審議を重ね合わせて私見をまとめてみた」
5つの疑問とはこうだ。
1.バイアグラのスピード承認と低用量ピル
2.バイアグラの個人輸入によって引き起こされる副作用や、密売を始めとした社会的困難の収拾を図るのが狙い?
3.エイズ拡大への懸念が低用量ピルの認可先延ばしの主要因だとしたら…。
4.低用量ピルには副作用がある。それならばバイアグラには?
5.少子化を加速させる低用量ピル? 多産化を加速させるバイアグラ?
私の主張の詳細は、次回以降に書かせていただくが、このファックスに対して、厚生省の技官からは「指摘はごもっとも。是非朝日新聞の『論壇』にご投稿を!」との返事が届いた。別の厚生省の役人からも同様の疑問が寄せられたようで、「バイアグラのスピード承認が、被害者(死者)が出たことが大きいとしたら、ピルが認可されずに人工妊娠中絶を余儀なくされる女性は被害者ではないのですか、と突っ込まれたら、厚生省は困るでしょうねえ」との指摘があったそうだ。怒り心頭で知り合いの記者に連絡をとったところ「週刊誌の場合は、『論より証拠』というか、『バイアグラが承認されたのは、現厚生大臣が性的不能に悩んでいるから? 生理が遅れる恐怖は分からないけど、立たない恐怖は分かるから』ほどに明快なものがないと記事にはしづらい。『男性優位社会』とか、『性的自己決定権』みたいな観念的な言葉だと、デスクからもさーっと引かれてしまうので」と返されてしまった。
昔の記事で発覚…低用量ピル承認前「男性たちが恐れたこと」の衝撃
板垣 異例のスピードですね。不妊治療目的のバイアグラは保険が適用されるのに、避妊目的のピルには保険が適用されない。
避妊薬・ED薬について | ピル(トリキュラー)やアフターピル
北村:産婦人科医には、早期承認を求める意見が多かったようです。事実、保険適応のある中高用量ピルを避妊目的で転用した時代が長かったわけで、できるだけ早く、安心して処方できるようにして欲しいという声は上がっていました。その一方で、宗教的に「命はどこから始まるのか」という議論から避妊薬に批判的なグループもありました。
国連加盟国の中で最も遅かった。 一方で、男性のための勃起不全治療薬バイアグラは、申請から半年でスピード承認された。
ちなみに、僕のクリニックでは、緊急避妊薬「レボノルゲストレル錠1.5mg「F」(ジェネリック薬)」に希望する人には低用量ピルを1シートつけて7500円+消費税と決めています。再び緊急避妊薬を必要としなくて済むようなこだわりが僕にはあるからです。
MEDICAL LIBRARY 書評・新刊案内 | 2009年 | 記事一覧 | 医学界新聞
北村:日本にはない避妊法がどうしても必要だという日本人の声が高まることが先ずは大事。
そのための啓発を地道に進めていくことが必要です。遠見さんなど若い女性達が、政治家を動かしたり、メディアと上手にコラボして活動していることにいつも感心しています。
潰されるかもしれないけれど、へこたれることなく続けていって欲しい。医療に関わる問題ですから、日本医師会や産婦人科関連の団体にも支持者を増やすことです。
僕自身、日本での低用量ピルの普及率を30%に引き上げることを目標に今までやってきましたが、現状はわずか4%。もう終活を始めている身なので、次世代に期待して楽しみにしています。
(国内認可されているもので、さらに病名もお薬も副作用など試せずにただ処方され ..
女性が医薬品として処方される中用量の経口避妊薬ピルは、副作用が多いにもかかわらず、それが少ない低用量のものはなかなか認可されなかった。国会議員になる前、私は離婚講座や電話相談などで3万人近い妻たちから相談を受けたが、中絶体験で心に傷を負っている人が少なくなかった。低用量ピルが普及すれば、妊娠中絶件数は確実に減少し、トラウマを抱える人も減るはずと、ずっと思っていた。
国内で、承認されているED治療薬は「バイアグラ(シルデナフィル)」「レビトラ ..
しかし、日本で避妊といえばコンドームが多い。いわば男性任せであり、「女性の自立」が言われて久しいのに、ピル認可への運動は盛り上がらない。当時、経口避妊薬は違法であり、不規則な月経周期の管理やその他の医療目的のためにしか処方されていなかった。
上記は国が認めた治療薬であり、日本ではバイアグラ25mg~50mgが承認されています。
人には聞きづらい“女子の保健室的なお悩み”について、専門家にしっかり取材をして信頼できるアドバイスをもらおう!という企画『ViVi保健室』! 彼と仲がいいのはとってもいいことだけど、まだ子どもは早いと考えるViVi世代に
バイアグラ錠, バイアグラ 25mg, 1,300円, 1,200円
そこで私はピルを認可するよう、何度も国会で質問した。だが、厚生省の官僚は「日本の女性と欧米の女性は体が違うから」という木で鼻をくくったような答弁をするばかり。思いあまって、当時厚生大臣だった小泉純一郎さんに低用量ピル解禁の要望書を持って説明に行った。
バイアグラ /レビトラ/シアリス(ED治療薬)・AGA治療薬 | 京医院
低用量ピルが日本や北朝鮮で認可されていないと実情を説明すると、小泉さんは驚いた表情で言った。