【発達障害】ADHD、ASDの睡眠障害、メラトニン、メラトベル
みなさん、こんにちは。睡眠プライマリケアクリニックです。
ところで、みなさんは自閉スペクトラム症(ASD: Autism Spectrum Disorder)という言葉を聞いたことがありますか?実は、ASDの方々は、睡眠に関する悩みを抱えていることが多いのです。今回は、ASDと睡眠の関係、そしてより良い睡眠を得るためのヒントをご紹介します。
「ASD患者の約5~8割、ADHD患者の約3~5割で睡眠障害が合併し ..
自閉症スペクトラム症(ASD)は、人とのコミュニケーションや社会性に難しさを感じたり、特定の物事に強い興味を持ったりする特徴がある、発達障害の一つです。ASDの方は、日常生活のさまざまな場面で独特の困難を経験することがあり、その中でも睡眠障害は特に多く見られることが知られています[1]。
ADHDの子どもにおける頻度を調査した研究論文によれば、73.3%に睡眠障害の症状がみられました。
ASDを有している子どもでは、60~86%の割合で不眠を主体とした睡眠障害が ..
発達障害に合併している睡眠の問題を治療することで、精神症状の改善、対人関係と注意力の問題が改善したという研究報告があります。
自閉症があると、睡眠と覚醒リズムが不規則になる傾向があります。眠りが安定しないことで、自閉スペクトラム症の症状を悪化させる場合があります。一方、感覚過敏による症状が二次的に睡眠を妨げることがあります。
発達障害に多くみられる入眠困難には、メラトニンを処方することがあります。
クリニック、病院などで、発達障害の治療を受けた上で、睡眠障害の精密検査が必要であると判断されたときは、睡眠専門医の診察を考えてください。
なぜ自閉スペクトラム症が発症するのか、その理由は不明です。ただし、両親から子どもに受け継がれることが時々あります。
第28回 「発達障害に対する薬物治療について 2」(令和2年10月)
睡眠不足、睡眠の質の低下、睡眠リズムの異常があると、認知機能、記憶、情緒面などに問題を生じます。眠気の表現として、が増えてキレやすくなります。子どもの場合、症状が現れるので、遅刻、になりがちです。一方、大人の場合は、が起きます。
自閉症では、になりがちで、が生じます。さらに、深夜まで自分の興味のあることに集中して起きていると、の生活パターンになることもあります。
その他の方法として、漢方薬による睡眠の改善を試みる場合もあります。 【参考記事】 メラトニンと睡眠
自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害が、発達障害に含まれており、コミュニケーションの問題が生じやすいこと、および対人関係を築くことが苦手である傾向があります。
睡眠剤. 睡眠・覚醒リズムが乱れている場合には、メラトニンやラメルテオンを用いることで、睡眠リズムを整えることができます。
日本は大人も子どもも“世界一寝ない国”とされ、「夜なかなか眠れない」「途中で起きてしまう」など睡眠の問題を抱える子どもは多い。その日本にあって、神経発達症の子どもはさらに睡眠障害の有病率が高く、自閉スペクトラム症(ASD)の50~80%、注意欠如・多動症(ADHD)の25~50%で睡眠障害が合併しているとの報告がある。
ASDの方は、日常生活のさまざまな場面で独特の困難を経験することがあり ..
「日本の子どもは少なくとも25%以上は睡眠に何らかの問題があるといわれていますが、神経発達症の子どもはより深刻な状態にあります。私たちの小児神経外来を受診する患者・家族も、多くの方が睡眠障害の問題に悩んでいます」(山下さん)
ASDのある方は、腸内の善玉菌と悪玉菌に偏りが見られることがあり、下痢 ..
自閉スペクトラム症(ASD)の子どもに用いられる薬物についてお話します。
ASD特性のある子は、こだわりが強く、環境の変化や、
(本人にとって)イレギュラーと感じる出来事に対して非常にストレスを感じる場合があります。
不安のあまり普段なら難なくできることも手がつかなくなり生活が立ち行かなくなる場合すらあります。
「慣れさせよう、乗り越えさせよう」と頑張らせるのはやってはいけない対応ですので注意してください。
苦手な刺激を減らしたり、できるだけ変化をつけない・避けられない変化は事前に伝えて見通しをつけさせる、
などの対応を行ないます。(前回コラムでお話した「心理社会的治療」です。)
しかしそれでも子どもの状態が芳しくない場合は、薬物療法が検討されます。
具体的には強迫症状(何度も手を洗ってやめられない、など)や自傷・他害行為、ひどいチックなどの
身体症状がみられるとき、などが薬物治療を検討する目安です。
お薬は不安を取り除いたり、イライラする・気にしすぎるなどの感情をコントロールする等の効能があります。
眠気などの副作用に十分注意しながら使用します。
根本的には不安を惹起させる要因を除くことが必要ですので、
投薬中も心理社会的治療は継続します。
また、症状の改善具合と子どもの成長にあわせて適切な時期に減量・断薬していきます。
この辺りはADHDに対する薬物療法と同じ考え方です。
子どもの心身発達と睡眠は密接な関係があるとされています。
良質な睡眠によって成長が促されることは容易に想像できると思います。
しかしながら発達障害の子どもは睡眠障害の合併が多いとされています。(コラム第8回参照)
原因のひとつに「メラトニン」と呼ばれるホルモンの分泌不足が挙げられています。
最近、メラトニンを有効成分とした入眠改善薬が承認されました。
お子さんに睡眠の問題、とくに寝つきがあまりに悪い場合は
メラトニン分泌がうまくいっていないタイプの睡眠障害かもしれません。
生活習慣や環境に気をつかっているのに夜なかなか寝付けずお困りの場合は、
小児科や発達の専門機関で相談してみてください。
薬物治療の考え方をまとめますと
1.薬物にたよらない心理社会的治療が第一選択である
2.子どもの日常生活や将来のためにメリットがあると判断した場合は有効な選択肢になりえる
3.適切に使えば子どもの成長に役立ち、経過によって減量・中止できる場合も多い
となります。参考にしてください。
※こども未来センター診療所の開所状況はホームページ、公式twitterで随時お知らせしております。
引き続きご参照ください。
ASD)の特性が顕著になっている例も経験します.子どもの睡眠には家庭など周囲の ..
前回、前々回は、老年期のアルツハイマー病に見られる睡眠障害、体内時計の乱れ、さらにその予防・改善方法についてお話ししました。生活リズムを整えることが、認知症の進行予防につながる可能性があることも紹介しました。今回は、幼年期の神経の発達時に起こる疾患に着目してみたいと思います。特に、自閉症やアスペルガー障害などの自閉スペクトラム症(ASD)では、高い割合で不眠などの睡眠障害が見られます。これらの症状は体内時計の乱れと関係しているのでしょうか。ここでは、原因とその対処方法を考えてみたいと思います。
ASD)、学習障害(Learning Disabilities:LD)などがある。文部科学省が ..
山下さんが小児の睡眠障害に対するメラトニンの効果を実感したのは20年以上前。1万人の女児に0.9人程度の割合で発生する難病「レット(Rett)症候群」の患児を受け持った時だ。
メラトニンの分泌が始まり,睡眠・覚醒リズムが整い出してきます.1歳頃までには ..
「レット症候群はDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)では神経発達症に分類されていませんが、睡眠障害を伴うケースが多く、夜中に頻繁に覚醒し叫んだりする一方で、昼間は過眠状態にあり、本人はもちろん親のQOLも非常に低い疾患です。当時、海外の文献でメラトニンが有効という論文が出始めていたので、海外から取り寄せて2人のお子さんに使ってみたところ劇的に改善し、メラトニンは効果があるという強い印象を持ちました」
人が夜になると眠くなるのは、脳の松果体から睡眠ホルモンの「メラトニン」が分泌されるから。
「メラトベルは内因性ホルモンと同一のメラトニンを成分としているため、自然な眠りを得ることができます。主な副作用は傾眠で重篤なものはありません。保険適用された薬を使えるのは、適応のある患者さんにとって大きなメリットです」
メラトニンは、欧米では睡眠薬やサプリメントがある。日本では従来 ..
これら発達障害の子どもは、一般的な子どもに比べての割合が高い。さらに、睡眠不足の影響から感情のコントロールや認知機能、忍耐力の低下など発達障害の症状が悪化しやすく、につながる例もある。
ADHD ASD 眠気 病気 大宮 精神科 心療内科 クリニック.
入眠困難による睡眠不足は、神経発達症の多動や過活動、興奮などの症状を強める可能性が指摘されている。「神経発達症と睡眠障害は密接な関係にあり、神経発達症の子どもは、睡眠・覚醒のリズムを整えて夜よく眠れるようにすると日中の行動や注意力も改善していきます。入眠困難の改善は神経発達症にとって大事な治療の1つなんです」(山下さん)
千世(ちよ)『発達障害児の睡眠障害とメラトニンの関係について』
「睡眠障害は治療可能」という認識があまりないことも、家族が睡眠の問題を口にしない要因になっていると山下さんは指摘する。「メラトニン製剤という“武器”が出来たことで、今後、神経発達症診療は変わってくると思います。一般の小児科の先生方にはぜひ子どもの睡眠と発達により関心を持っていただき、神経発達症の子どもを診るときは、必ず睡眠の問題に光を当てていただきたいと思います」
基本的には、合併症に対する対処療法です。 ・ADHD症状 → ADHD治療薬(メチルフェニデート他)
メラトベルの開発では、ASDを有する睡眠障害の小児196例を対象に国内第Ⅱ/Ⅲ相試験が行われ、プラセボとの比較で「入眠潜時(入床から入眠までの時間)の短縮」が確認された(図)。さらに神経発達症を有する睡眠障害の小児99例を対象とした国内第Ⅲ相試験では、入眠潜時の短縮に加え「日中の機嫌や異常行動の改善」もみられた。